人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

幻の映画

2017-09-17 13:44:34 | 映画・音楽など
このブログは、ずっと日の当たらない世界で生きてきた私の、自己満足に過ぎないようなことを書いているのですが、6月中旬PCの故障で10日ばかり休みを余儀なくされてから何故か閲覧、訪問共にUPしています。有り難い話ですが、これは何かの間違いなのでは?
それでも、私は日の当たる世界とは無縁のままでしょう。どうもそういうところに出た途端、自分が自分で無くなるような、吸血鬼のように存在が消えちゃうような気がしますから...
"おっi こんなところにこんなものが...めーっけi" ...といった、私自身が人生のある種の醍醐味に感じているようなことをこれからも書いていくつもりです。よろしければご随意にお付き合い下さい。

という訳で、"X"色の強いこのブログでも今回は一際その色の濃いものを書いてみます。
高一の夏、その時一度しかテレビで観たことが無い映画についてです。
ビデオ、DVD化されているかどうかも、ネットでデータを探しても出てきません。50年代に作られた米映画のようです。確か放映時のタイトルは...
「リリーと新聞売りの少年」
だったと思います。どういう映画かはタイトルから大体想像出来ました。
"どうせ、ささやかな感動美談かなんかだろう..."と...高一ときたらやたらと背伸びしたがったり、強がったり、大人びようとしたりする、ピークの頃じゃないですか。私は"こーゆー映画にイチイチ感動して、ウルウルしてる訳にゃいかんのだi"と思いつつ(じゃ、観なきゃいいだろi)、何も期待しないで観ていたのですが、もう数分で、別のところに目が釘付けになってしまいました。
主人公の脚が不自由で、車イス生活を余儀なくされている少女が、もうホントに驚異的な美少女だったからですi 若い頃のリズ.テーラーをもしのぐくらいです。
この女優さんは、確か「スコッティ.ベケット」という名だと思いましたが、やはり検索しても出てきません。(どっかに写真は無いものでしょうか)
こんな訳でもう、ストーリーなんかはそっちのけになってしまったのですが、想像出来るように分かりやすいものです。といってもウル覚えですが...
このリリーという少女と貧しい新聞売りの少年との間に友情が芽生え(淡い恋心もあったかもしれない)、少年は、ある時少女のために泥棒を働いてしまったか、濡れ衣を着せられてしまったか(定かでない)したのですが、少年にしかるべき裁きが下される刹那、「彼は悪くないi」と、スックと少女は、車イスから立ち上がって強く訴える ...
(おやっi その後似たような場面をアニメで観たぞう...それは誰もが知ってる名シーンですが、私には誰も知ってそうにないそのシーンの既視感が過りました)
"こういうクライマックスはもう、分かっている...涙腺があっけなく崩壊してしまうのも...分かっていたとも..."
私はこの時分は、フツーにカッコつけた高校生を演じて生きようとしていました。
でも、表向きにそう成りすまそうとする、自分の思いに反して、突然どんなに拭い去ろうとしても胸の辺りからもたげてくる侵入者が訪れるのを、その数ヵ月前、中学の終わり頃から知っていました。
内心は彼に屈服したかったのです。この甘美な侵入者により、私にこの映画の内容を完全に越え出た心象世界が開かれました。
言葉にならない愛、哀感に包まれた状態が数日間続きました。映画を観てそうなったというのは、他に記憶がありません。
何とも"X"に包まれた、幻の映画です。


コメント (5)
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