霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

お別れ

2013-02-13 19:27:05 | 仲間
就農以来の恩人である佐藤敏明さん(87歳)がその人生の幕を閉じ、今日告別式があった。
「年の順にオサラバするとは限らないけど、もし私が後だったら敏明さんの葬儀で弔辞を読むからね」と
数年前にお茶を飲みながら本人に宣言していた。
その時、敏明さんの口から言葉は発せられなかったが一瞬目が潤んだように感じられた。

師匠でもあり気の合う産直仲間でもあった敏明さんが彼岸に旅立ったのは本当に寂しい。
涙をこらえながらのたどたどしい弔辞奉読となった。


(早朝から降っていた雪が葬儀が終わるまで降り続いた。
 敏明さんを惜しむ 「なごり雪」だったのかもしれない)
                       
                      「弔 辞」

人の命に限りがある以上いずれはこの日が来るものと覚悟しなければなりませんが、あまりに突然の
訃報に驚きを隠せませんでした。
一月上旬に妻と二人で入院先にお見舞いに伺った際は、弱気な発言をされてはいたものの顔色も良く、
いつものように笑顔も絶やさず元気そうでしたし、その後間もなく「退院した」とのハガキも頂戴していま
したので、春にはまた「道の駅」でお逢い出来るものとばかり思っていました。

私が敏明さんと初めてお会いしたのは、会社勤めに早めに見切りをつけ夫婦で農業を志し、「道の駅」
の生産者の仲間入りをした時でした。
当時敏明さんは既に八十歳を過ぎていましたが、研究熱心で色々と工夫をしながら出荷する取り組み
姿勢や年齢を感じさせない柔軟な発想に感銘を受けました。
直ぐに我々夫婦の「お手本」となり「目標とする存在」になったことは言うまでもありません。

俄か百姓の我々に野菜の作り方は勿論のこと値段の付け方なども含め、親身になってアドバイスして
くれました。
敏明さんが得意としていたサトイモの作り方については、冬場の農閑期に我が家に来て貰い酒を酌み
交わしながら教えて貰ったこともありました。
また、「道の駅」がスタートするずっと以前から直売所に携わって来た経験から、「厳美では昔から秋が
一番売れる」との貴重な情報も教えて頂きました。
それまでは春のGWやお盆がピークかと思っていましたので、まさに「目からウロコ」の貴重な情報となり、
その後、我が家で作付する野菜が「秋の行楽シーズン向け」に大きくシフトする契機となりました。

一方、敏明さんは褒め上手でもあり、店で野菜を並べているとそれを手に取って「ホウ、立派なもんだ」と
言っていつも褒めてくれました。
実際は足許にも及ばないお粗末な出来だったと思われますが、敏明さんに褒められたことが大きな励み
となりました。

「道の駅」の出荷時には毎朝のようにお会いしていましたが、たまに昼の時間帯に「売れ行き」を見に来た
二人がバッタリと顔を合わせることもありました。
そんな時はレストランでお茶を飲みながら情報交換をしたりもしました。
今は、その一つひとつが懐かしく、楽しかった思い出として残っています。

敏明さんが「道の駅」に出荷する物はサトイモ、ホウレンソウ、大根、ミョウガ等の野菜は勿論のこと梅干し
や沢庵のような漬け物、春には柳、お盆には盆箸、年末にはしめ縄や竹と言った具合に多岐に亘っていま
した。
それらのすべてを「一人でこなしている」と聞いて驚いたことを覚えています。
「敏明さん、そんなにお金を稼いでも天国には持って行けないよ」などと冗談を言ってからかったことがあり
ましたが、敏明さんにとって産直出荷は「生活のため」というよりも「作ることや売ること」が「歓び」であり「生
き甲斐」だったようです。

二年前に、厳美街道をトラクターで横断しようとしていた敏明さんを見かけたことがありましたが、その時の
凛々しく若々しい姿が未だに目に焼き付いています。
「敏明さんはまだまだ現役のバリバリだ」との認識を新たにしました。
それだけに、その思いに反する早い「旅立ち」に断腸の思いがして残念でなりません。
しかし、その人生は「生涯現役」、「生涯一百姓」を貫き通した立派な人生でした。
ご自身も「思い残すことなくやり尽くした」と振り返っているものと思われます。

敏明さんが長年守り育てて来た厳美の産直市場は残された生産者仲間で引き続き発展させるよう努力する
所存でおります。
どうか天国に行かれましても時々地上に降りて来て「ホウ、立派なもんだ」と声をかけて欲しいものと願って
おります。

敏明さん、本当に大変お世話になりました。
ありがとうございました。
どうぞ安らかにお眠り下さい。
                                     平成25年2月13日
                                     「道の駅」の生産者仲間を代表して 
                                                   熊谷 良輝
コメント (3)
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凍結路面

2013-02-12 19:31:10 | 環境
二月になると太陽の日差しが日増しに高くなり日当たりのいい道路は雪も解け路面が
乾いているが、林等で日差しが遮られている場所は路面が凍結したままの状態になっ
ている。
道路の全線が路面凍結の状態であればドライバーも徐行運転に心掛けるが、一部だ
けだとどうしてもスピードを出してしまい急に凍結路面に出くわして泡を食うことになる。

凍結した路面はフラットでも危ないが、下り坂の左カーブが一番怖い。
スピードを落とそうとブレーキをかけると滑るし、ブレーキをかけないと惰性で対向車線に
はみ出す可能性がある。
そんな路面に突入すると「一瞬心臓が止まり胃も痛くなる」思いをすることになる。


(我が家の裏にある道路もエグネに遮られ凍結路面のままとなっている)

路面凍結で最も怖いのは乾いた路面を小雨が濡らし薄氷が張ったとき。
凹凸が無いので完全にスケートリンクと同じ状態になりよく滑る。
その怖さを知らない車がカーブで道を外し林の奥深くまで突っ込んでいるのを一朝に
三台も見たことがある。
通る車の絶対量が少ないので確率としては「かなり高い数字」かもしれない。

春が近くなった今の季節の道路が実は「一番危険である」ことを忘れてはならない。
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バックホー

2013-02-11 18:07:08 | 天気
臨月を迎えた妊婦のようなお腹となって動けなくなったバックホーはクンタンを利用した
「遠赤外線作戦」も上手く行かず未だに救出できずにいる。

分厚い氷状態のお腹の解消は陽気が春めいて来るまで無理なのかもしれない。
それでも微かな望みを抱いてアルミの歩み板を利用して農道脇まで引き上げて来た。
そこは既に雪が解けている南に面した場所なので「春が来るのも早いのでは・・・」と
期待している。



昨日のピンク柳に引き続き今日は夕日を浴びたハクモクレン。
あと二カ月もすると白く大きな花を付ける。
その頃、我が家はどんな春を迎えているのだろうか。
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惨めな敗戦

2013-02-10 22:43:30 | 趣味
昨年の衆議院選挙のあおりで開催がずれ込んでしまったバドミントンのダブルの大会が
本日開催された。
五部優勝、四部三位と続き三回目の参加となった今年も上位入賞を期して臨んだつもり
だったが惨めな一回戦敗退に終わってしまった。

事前の練習をしっかりと積み「腕は上達したもの」と少なからず手応えを感じて今日の日
を迎えたのだったが、昨晩の「夜更かし」と今朝の「朝寝坊」が良くなかった。

会場に遅れて到着し、しかも第一試合だったため「身体が眠っている状態」のまま試合開
始となってしまった。

一言で言えば「自分の弱点」を全部さらけ出したような試合となり、15点三セットという特別
ルールだったこともあって汗もかかない内に終わってしまった。


(春が近づきピンク柳も膨らんで来た)

積み重ねて来た成果を「直前の不摂生で無にしてしまった」と反省することしきり。
「人生こんなこともある」と気持ちを切り替えるしかない。
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フードパワー

2013-02-09 21:12:18 | 産直
「フードパワー」は一関のスーパーの老舗である(株)ホーマスキリンヤが経営している食料品のお店。
その店内にある「産直コーナー」は藤沢町の生産者が中心となって出荷しているが、我が家でもスタート
当初から仲間入りさせて貰っていた。

最初の数年間は厳美の「道の駅」と「新鮮館おおまち」で手一杯だったので「お付き合いレベル」の出荷
量でしかなかったが、最近になってそのコンスタントな集客力に魅力を感じるようになって来ていた。

そんな背景もあって、今まで「ふじさわ産直の会」で主催する総会や勉強会等には一度も参加したことが
無かったが、今日開催された総会と懇親会に初めて参加してみることにした。
産直コーナーの仕掛け人で会の生みの親でもあるA社の社長から「年に一度も顔を見せないと除名だよ」
と脅かされていたこともあったが・・・

総会と懇親会で五時間にも及ぶ長丁場だったが、会の会長を初めとする多くの生産者仲間の皆さんと
有益な情報交換が図られ、更には来賓として参加していたパワーフードの店長やキリンヤの青果部門長
とも意見交換をすることが出来て非常に充実した時間だった。



昨年、テストマーケティング的に色々と出荷してお客様の反応をうかがい、今年から本格的に参入する
準備をしていたので、その意味でもグッドタイミングな場となった。
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