簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 優しい町

2009-11-13 | Weblog
来がけに徳島駅で逡巡した。
途中下車して昼食を摂ろうか、そのまま立江まで直行してからにしょうかと。
あるガイドブックには、“立江寺の門前町・・・”と言う記述が有り、このことから門前町なら
食べるところの一軒や二軒は有るだろうと思われた。

しかし、今までに結構昼食場所には悩まされていた。
当然のことながら遍路道にコンビニなどは無く、ヤット通りで見つけた食堂が休日で休業
だったりして、空腹を抱え、結構な距離を歩いた事もあった。
そんなことがあったので多分に懐疑的になっている。
大して悩む事でもないが、結構悩んだ挙句、安全を見て駅ビルで食事を済ませて来た。



正解だった。
駅からの道すがら、食堂らしきものは一軒も見当たらなかったのだ。

納経を終え、門を出て右に取ると、角にお菓子やさんが有る。
店先を覗くと美味しそうな大福が並べてあり食べたくなる。
「一つでも良い」と店主が言うので一つずつ求め、齧りながら20番札所を目指す。



「徳島で食事を済ませてこなかったらこれが昼食だった」などと話しながら、左手に豊かに
実る稲田を見て県道を歩く。
少し盛を過ぎた彼岸花が、赤い帯となってアクセントを添えている。
こんな長閑な風景に癒されながら元気に歩く。



途中、庭先の男が「真直ぐ行くと角にコンビニが有る。そこを左に曲がれ」と聞きもしないのに
声をかけ教えてくれた。
何時もの事ながら、四国は遍路には本当に優しい町だ。
案内の標識が整備されている事もあるが、こうした町の人々の何気ない心遣いが有るからこそ、
遍路は知らない町を安心して歩く事が出来るのかも知れない。
素晴らしい文化だと思う。



気温26度。9月とは言え、日差しは結構キツイ。
ずーっとアスファルト道を歩いているが照り返しも多少有り、汗が出る。
加えて、時折吹き付ける北よりの風に行く手を阻まれる。
強風は、遥か南の海上を台風が通過している影響らしい。

それにしてもあれから随分歩いているのになかなかコンビニが見えない。(続)
コメント
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