簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 「旅館金子や」

2009-11-20 | Weblog
遍路の朝は早い。
5時を過ぎる頃、廊下を行き来する足音で目が覚める。

 【写真:旅館金子や】
 
今日は、20番・鶴林寺と21番・太龍寺を打って山を下り、22番・平等寺を目指す。
22番に宿は無く、その先の23番周辺まで、道路沿いにも宿は無いらしいから、歩き遍路の多くは
太龍寺から山を下り、先の黒河の地で宿をとるらしい。
我々もそこの民宿を予約しておいた。
高低差は有るものの、距離にして15キロほどの行程だ。

山登りが有るとは言え、時間的にはそんなにキツイ行程では無い。
8時頃に出立しても、17時頃までには宿に入れるだろうと目論んでいたから、それまでに発てば
良いだろうと考えていた。
そのため、目が覚めてからも布団の中で愚図愚図とまどろんでいた。

昨日は予定通り陽の有る内に宿に到着することが出来た。
食事までの時間を利用して、汗に濡れた白衣やシャツを洗濯した。
そして、洗濯物をハンガーに吊るし、長押に掛けた。
幸いと言うか、遥か南の海上を行く台風の影響で、この地も強風が吹いていた。
部屋の窓と言う窓全部を開け放つと、ハンガーが真横になるほどのすごい勢いで風が吹き抜けていく。

 【写真:旅館の窓から】

これなら充分に乾くだろうと、日が暮れるまでそのままにしておいた。
近くに牛舎でも有るのか、畑にまいた肥料なのか、多少匂いの混じった風では有るが、洗濯物の事を
考えれば我慢するより仕様がない。
その後、ゆっくり時間をかけて風呂に浸かった。

朝、思惑通り洗濯物は綺麗に乾いていた。
洗濯物を片付けていると6時半頃、宿のおかみから「朝食の準備が出来ていますよ」と電話が有る。
なかなか食事に来ないものだから心配してかけてきたのだ。
急いで下に降りると、もう既に殆どの人が食事を済ませたらしく、テーブルには二人分の食事だけが
残されていた。
早い遍路は玄関先で出立の準備に余念が無い。
二人だけが取り残された食堂で、急いで卵かけご飯をかき込み早々に部屋に戻る。

 【写真:四国の道の看板】

道中に食事処は無いと言うので昨夜おにぎりを頼んでおいた。
食堂に戻り、ポットに残ったお湯をかき集めてお茶をいれた。
予備の飲料水とすべく、ペットボトルに一杯詰め、予定より30分以上も早く宿を発った。(続)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする