簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

旧遍路宿・坂本屋(四国遍路)

2012-07-04 | Weblog
 際限なく、何所までも下っていく山道の途中の休憩所で、通し打ちの遍路であろうか、
東屋の中にテントを張り、柱にロープを張り巡らし洗濯物をいっぱい干して休んでいた。
 これまでに休憩する場所が無かっただけに、こちらも少し休みたい気分ではあったが、
さすがに休める雰囲気ではない。



 横目で眺めながら、「夕方ならともかく、昼間からこれはどうなんだろう・・」と、休め
なかった鬱憤を、そんな言葉に紛らわしながら、慎重にリズムを取り下りていく。



 ここらあたりまで来ると、時折前方の木立の切れ目から、青い空もちらほらと見え
始めているので、そろそろ山道も終わりになるのでは・・と期待を抱かせる気配では
あるが、下り道はまだまだ続いている。



 峠から2キロ半、ようやく山道が途切れアスファルト道を桜の集落に向け下っていくと、
途中で曰くのありそうな建物に出くわした。



 少し古めかしいが立派な二階建ての建物で、表に“坂本屋”と書かれた風格のある
木板が掛けられ、しめ縄も飾られている。



 説明書きによると、明治から大正にかけて賑わった旧遍路宿で、平成に入ってNPO
法人などが中心になり修復されたもののようだ。建物としても価値の有るものらしく、
その昔にはかの正岡子規もここを旅して句を残しているという。



 日曜日には有志によりお接待も行われているらしいが、生憎とこの日は平日、雨戸が
きつく締められていた。こうして古いものを遍路の接待所として活用しながら、保存にも
努めているということらしい。(続)


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