平成元(1989)年岡山県では、温暖で災害が少ないことから県のイメージを
端的に表すキャッチフレーズとして「晴れの国 おかやま」を採用した。
バブル時代全国の自治体で流行った流れに乗って、当時の県広報課職員により
決められたものらしい。
岡山県では、冬の北からの寒気は中国山地で、夏の南からの暖かくて湿った
空気は四国山脈で遮られる。
また偏西風に乗って西から押し寄せる雨雲や台風なども、山口や広島の山地で
その力が削がれその為瀬戸内地方では雨や雪が降り難いのだと言われている。
しかし晴れの国とは言え、晴れの日が格別に多いというわけではない。
全国的に見ると年間の晴天の日数や日照時間では全国平均をやや上回るものの、
順位的には山梨、埼玉、静岡、宮崎等が上位を占めていて10位台半ば位である。
なのに晴れの国を名乗るのは、「降水量1mm未満の日数が全国で1位」であ
るからだ。気象庁の発表によるとその全国平均は247日で、岡山は276日といい、
1ヶ月ほども多くなっている。2位の山梨県とは3日ほどの差がある。
こうした数字で見てくると、どうやら岡山は晴れの日がダントツで多いとい
うわけではないが、雨の降る日は少なく、降り続かないし大雨には成りにくい
と言うことらしい。
そのことが、災害が少ないというイメージとして擦り込まれ、先の東日本大震
災の折にも県内への移住者増に繋がっていたようだ。
気候が温暖で地震や水害なども少なく、果物に代表される山海の幸にも恵まれ、
交通の便も良く住みやすい町という、そんな安全神話を根本から覆す災害がこの
岡山にも突然襲いかかってきた。
(写真上から備中松山城、岡山城、瀬戸大橋、津山城跡、牛窓、蒜山高原)(続)
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