今日「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」、この三つの
神社を総称して熊野三山と言うが、元々はルーツの異なる神社で有ったと言う。
「本宮」は熊野川を、「那智」は那智の滝を、「速玉」は神倉山のごとびき岩
をそれぞれがご神体として崇めてきた歴史があり、それが何時しか融合し信仰の
対象としての「熊野」は浄土となった。
そして「蟻の熊野詣」と言われるほど三社を巡る参拝の旅が持て囃される時が来た。
参道を進み赤い欄干の小さな太鼓橋を渡り境内に入る。
常夜灯を見て行くとその先の赤い鳥居の前に、文豪・佐藤春夫の歌碑が有る。
「空青し山青し海青し 日はかがやかに 南国の五月晴れこそ ゆたかなれ」
右手に「熊野神宝館」があり、入り口前に武蔵坊弁慶の像が建っている。
何となく場違いな様にも感じるが、田辺の別当の倅と伝えられていると言うの
で、ここ熊野とのゆかりも深いのであろう。
その先の手水舎を過ぎ、神門を潜ると正面に朱塗りの柱、白壁が鮮やかな拝殿
が姿を現す。さすがに世界遺産の熊野三山の一つである。
夕暮れが背後の神倉山の森を覆い始める時刻だと言うのに団体や、七五三詣でな
ど参拝者が多い。
境内で一際目を引くのが、樹齢千年と言われる梛(ナギ)の大樹である。
高さが20m、幹回り6m、ナギとしては国内最大と言われている。
古来から参詣者や航海をするものの間では、道中安全・航海安全のお守りとして
この木の葉が珍重されたと言う。ナギが凪を連想させるかららしい。
現在では御神木として保護されている。(日本一路線バスの旅・完)
「はれのくに おかやま」観光情報 最新記事アップしました。
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