昔の人は、旅に「干し飯」を持参していた。
炊いたご飯を軽く水に晒し、天日で乾かした物で、作り方にもよるが、
1年位は持つらしい。軽くて嵩張らないので、戦での非常食として使わ
れる程だから、旅人も重宝したようだ。
時に歩きながら、固いままボリボリと食べることもあったと言う。
木賃宿ならお湯を沸かし、戻せばおかゆが出来上がるから安上がりだ。
街道歩きで困るのは、主には昼飯時の店探しだ。
大きな町中なら兎も角、今日の道中や宿内には、食事の出来る店が無い
ところも少なくない。コンビニでも有ればありがたいが、そうそう丁度
良いタイミングで現れてはくれない。無いところには本当に何も無い。
嘗て四国八十八カ所を歩いた折、食事処には随分と悩まされた苦い経
験が何回もあった。予め弁当を持って歩けば問題は無いのだが、やはり
荷物は軽くしたいし、少しでも楽がしたいので、食料は非常食程度で殆
ど持ち歩かなかった。そんなときに限って峠越えなどの山道で、時には
喰いそびれた事も度度あった。
その教訓から、街道歩きでは、若干の食べ物を持って歩いている。
栄養補給のカロリーメイト、小腹を満たすチョコレート菓子(溶けても
チョコレートが飛び出さないもの)と、疲れたときに一粒口に含むフル
ーツ系の飴、それに飲み物だ。
是なら嵩張らないし大して重くもなく、疲れた時食事代わりとして当座
を凌ぐことが出来る。
しかし、これは空くまで非常食である。
出来れば昼ご飯は、休憩を兼ね、腰を据えてゆっくり取りたいと願って
いるが、中々思うようにならないのが現実である。(続)
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