この藤川宿に入り込んでからと言うもの、街道筋の彼方此方に紫色の
「むらさき麦」と書かれた幟旗が立てられていたのが気になっていた。
聞けばこの日藤川宿では「むらさき麦まつり」が開催されているという。
消防団により規制された通りは歩行者天国になっていて、屋台が出て、
フリーマーケットやスタンプラリー等も行われているらしく、大勢の人
が賑やかに行き交っていた。
当地では江戸時代より「むらさき麦」が栽培されていたが、何時の頃
からか作られなくなり、幻の麦と言われていたらしい。
近年になって県の農業試験場等の協力の下、試行錯誤を繰り返し、栽培
を重ねた結果、平成6年に穂先まで紫色の麦の栽培に成功したと言う。
資料館から10分ほど行くと右手に藤川小学校が有り、その体育館の横
辺りに、宿の西棒鼻が復元されていた。
ここが宿場の出口、西側の入口に当る場所である。
これまで藤川宿に行けばと我慢してきた昼食であったが、結局宿内でも、
何も見付けられないままここまで来てしまった。
そこにパラソルを立て、祭の運営に関わる婦人方がいたので、休憩が
てら立寄って話しを伺う。
「どこか食事の出来るところは?」と尋ねると、「宿場の中程にカフェ
が一軒有りましたけど」と言いながら、新たに道の駅を教えてくれた。
どうやら常夜灯の立つ辺りにあったらしいが、見落としてきたようだ。
今は足の裏の肉刺が潰れ歩くのに痛くて、回り道をする程余裕が有るわけ
では無いが、食事を抜くわけにも行かないし、この先にも暫くはコンビニ
も無いというから選択肢は、少し離れたこの道の駅しかない。(続)
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