簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

宿場の風情(東海道歩き旅・三河の国)

2022-01-19 | Weblog
 家並みの長さが凡1㎞にも及ぶ藤川宿の通りは、国道1号線とは切り
離され、間に割り込むように名鉄の名古屋本線が走っている。
従ってこの広い旧道に入り込む車は少なく、散策にはもってこいである。



 通りには、往時を偲ばす連子格子を嵌めた町屋造りの民家が何軒か残
されている。
殆どは、間口の広い平入りの二階建ての堂々とした家屋だ。
屋根は低く抑えられ、通りに向けて庇を揃えて並び立っている。



 そんな中で代表的な建物が、旧野村家住宅(米屋)である。
幾度か改修の手は加えられているらしいが、構造自体は古く、天保年間
の建築らしい。
岡崎市の「景観重要建造物」の指定を受けている。



 また通りで一際目立つのが、古いものではなさそうだが、三階建ての
白亜の建物だ。
城の櫓を思わす白壁で「粟生人形店」の店舗は通りで異彩を放っている。
およそ800年も続いているという元々は武士の家系らしく、人形作りを始
めたのは昭和に入ってかららしい。



 宿場の中程にあるのが嘗ての脇本陣、橘屋大西喜太夫家である。
明治天皇が休息をされ、昭和に入ると町役場として使われたそうだ。
享保年間に建てたという現存する門を潜って入ると、今は藤川宿資料館
になっている。
管理人は不在で、町民が交代で施錠・解錠の管理を行っていると言い、
内部は自由に見学をすることが出来る。



 人形店の向かい側に有るのが高札場跡で、更に問屋場跡もあるが何れ
も案内板のみの遺構である。
この宿場には史跡らしいものは少ないが、それでもこの通りは、江戸の
時代の宿場町を思わせる風情を良く伝えている。(続)





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