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廃止になった西大寺鉄道の廃線跡を、歩いて辿ってみる。
ここ「夢二郷土美術館・本館」と「カフェ」が建ち並ぶ前の道は、何か
曰く有りそうに僅かに緩い曲線を描いている。
実はこれが昭和37(1962)年廃止となった鉄道の「後楽園」駅であっ
たことを窺い知る唯一の手掛かりである。
道に沿って奥に進むと駅跡は来客用の駐車場に成っている。
更にその先を見れば民家や事務所の建物が行く手を塞いでいる。
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いきなりの迂回である。
この辺り市中心部の廃線跡は殆どが民有地として転売されているらしく、
線路の痕跡は殆ど残されてはいない。それどころか線路跡を特定するの
さえ難しいと聞いていたが、全くその通りだ。
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大方の見当を付け、先ほどの駐車場の裏側と思える辺りにやって来た。
ここには数少ない痕跡が僅かに残されていると言うから捜してみる。
やっと見つけたものは民家の庭先、ゴミステーションの裏側だからよく
よく注意して探さないと見逃してしまうほど小さなものであった。
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そのままブロック塀の基礎として転用されていた。
階段状のコンクリート遺構の上面に、レールを支えていたのか、或いは
祇園用水に架かるごく小さな橋梁のベースであろうか、間隔をあけて二
本ずつセットになった鉄筋(恐らくボルトで有ろう)が頭を出している。
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ここから反対側を見通せば、そこは大きなホテルの敷地で駐車場にな
っている。線路跡を思わすものは何もなく、その先にも民家やアパート、
マンションが続き痕跡は欠片も見つけられない。
ここら辺りの旧線を古い路線地図で確認すると、300mほど東進し今は
郵便局の建つあたりで南に進路を変えている。(続)
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