簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

ホームの名所ガイド(JR乗り潰し・姫新線)

2018-01-19 | Weblog
 車窓からは小高い山の頂付近に建つ、何やらメルヘンチックな建物、三角
屋根の塔が町屋の隙間から見え隠れする。
山里には何だか似つかない建物のようでもある。



 美作江見駅、ここは行き違いのできる二面二線を持ち、小さな木造の駅舎
がなんだか懐かしくなるようなそんな雰囲気の駅である。



 ホームには、錆びて黒く汚れた名所ガイド板が建てられている。
昔はどの線の、どんな駅にも、白いペンキを塗った木製のガイド板が建ち、
「おらが町の誇り」のような名所・旧跡が書かれていたりした。
時には簡単なイラストが添えられたものもある。
しかし、最近では都会駅を中心に随分と減ったようで、地方の駅でも見ら
れないところも多くなった。



 門前町や城下町であればそのランドマークが、さらには川や山の景勝地か
ら史跡や伝説の地に至るまで、駅のホームの名所案内にはその町の観光が凝
縮されている。



 中には駅から随分と離れた地までもが当然のように書かれていたりして、
昔の観光はやはり鉄道を中心に開けていと言うことが実感できた。
この町にこんな処が在ったのか、こんな物が有るのか、と初めて知ること
も多く、それはまさに社会科や歴史の教科書のような役割を果たしてたと
思ってみたりもする。



 駅に着いて列車のスピードが落ち、ゆっくり流れる車窓から駅弁売りの声
が飛び込んできて、駅名標と並んでホームに立つこんなガイド板を見つける
と、ああ着いた・・・と言う気持ちになったものだ。
列車を降りることが叶わない町で、たとえその場所に行けなくても、それを
眺めているとなんだか行ったような気になれるのがうれしかった。



 今や駅弁売りはすっかり影を潜めてしまった。次はこの名所ガイド板が消
え去るのかと思うと、錆びていても残されていることが嬉しくなる(続)



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