高崎を出た信越本線は大きくカーブして上越線や新幹線と分かれ、
北高崎に停車後市街地を抜け、少しずつ高度を稼ぎながら次第に山
岳地帯に向かう。右手にはいつの間にか碓氷川が寄り添い、その向
こうには旧国道18号線も流れている筈だが、車窓からは余り見通す
ことは出来ない。
安中や磯部などは、駅周辺に比較的多くの住宅や大きな工場も見ら
れるが、ここを過ぎる辺りから、人家は少なくなり車窓は緑の雑木林
や田畑に変わる。すると尖った岩峰の、荒々しい山塊が車窓に付き纏
い目を楽しませてくれる。
地図で確かめると祟台山や金鶏山・相馬岳のように思えるが、これら
が上毛三山の一つ、妙義山を構成する山々であろうか。
高崎からは30分ほど、それらが次第に左間近に迫ってくると終点の
横川に到着である。
官設鉄道が、高崎からこの駅の間に開設された明治18(1885)年開業
した歴史が有る。碓氷峠越を控えた駅として、広大なヤードを構えて
いたらしいが、今その面影をどこにも見ることが出来ない。
平成9(1997)年、北陸新幹線の先行開業に伴い当駅から軽井沢間の
鉄道が廃止され、信越本線の終着駅となった。
相対した2面のホームに、各1線を有する有人駅で有る。
当時の貨物線か留置線の名残であろうか錆びた線路がその間に残されて
いるが、何れもその先の、コンクリートブロック製の車止めで封鎖され、
鉄路は延びてはいない。
嘗ては島式ホームで4番線が設けられていたのであろうが、今は線路
も無くフェンスで仕切られた向こうは駐車場になっている。
その3番線に向かう渡り通路が、車止めの向こう側には設けられていて、
ここは紛れもない信越本線の終着駅である。(続)
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