簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

老舗旅館「鶴の家旅館」(四国遍路)

2011-06-01 | Weblog
 遠くに平田の街並みが見えて来た。
下って来た県道もいつの間にか平坦な道に成っている。
その県道を外れ、屋並みの詰まった旧道に入る。
何だか人家が懐かしい。
靴紐のお陰か、ここまで大した足のトラブルも無く歩いてこられた。



 今晩の宿は、平田駅の近く、国道56号線沿いにある明治の初期から続き、今の代で
四代目と言う老舗旅館「鶴の家旅館」である。
その宿に、16時前に到着した。

 心配りの良い宿である。
早速の洗濯のお接待は、疲れたこの身には本当に有りがたい。
 すぐに風呂・・・も嬉しかった。
そこそこの大きさが有り、ゆっくりと手足を伸ばして浸かる事が出来た。



 今日の泊客はどうやら三組のようだ。
夕食時、堺と掛川から来たと言う二組の夫婦遍路と一緒に成った。
 阿波の遍路道ではそれなりに夫婦遍路とお目にかかる事も有ったが、土佐に入って
からは殆ど出あうことも無く「夫婦では、ここまでは持たないのかな・・」などと
話しながら来たところであっただけに、二組の遍路には少し驚きが有った。



 ほぼ同年代、お互いが今回初めての遍路とあって、事の他話が弾み、遅くまで
話し込んでしまった。宿には、少し迷惑をかけてしまったようだ。
 昼間歩き疲れ、へとへとに成った事さえも自慢話として通用するのはお互いがその
苦しさ辛さを共有しているからで有ろう。
 道中での情報交換も怠りない。
何が楽しいかと言えば、こんな時ほど楽しいものは無い。遍路冥利に尽きる。
お腹いっぱい料理を頂き、時を忘れて語り合う時間はあっと言う間に過ぎてしまう。
思い出深い一夜と成った。

 テレビの天気予報が翌日の雨を告げている。どうやら、昼頃より雨に成るらしい。(続)


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