「白米の千枚田」は、丘陵の多い能登地方ならではの景観で、急峻な坂地
に開かれた小さな田が、幾つも重なるように広がり、その端は海に落ち込む
ように海岸まで続いている。
一つ一つの田は細長く、そして縮れたように見える様は、丁度広げた布切
れを手繰り寄せた時に出来るしわのようだ。
狭い田は座布団1枚分ほどの広さしかなく、そこに植わっている稲は、わず
か6束ほどだと言う。そんな狭い田が多いことから、「せまい田」がなまって
「千枚田」と言われたとも伝えられているが、実際に田は1004枚あるそうだ。
この急斜面の高低差はおよそ56mで、これは19階建てのビルに相当する。
それでも、こんな急斜面の田だが稲作の水利に不安は無いらしい。
江戸時代の代官が構築した谷山用水が網目状に走り今も活躍しているから
だと言う。
(写真提供:石川旅ネット)
今では、この田は農家の人が直接管理するものは少なく、多くはオーナー
を公募し、地元の有志が実際の管理をしているらしい。
(写真提供:石川旅ネット)
ここにはいろいろな逸話も残されている。
「年貢の取り立てに来た役人が田の枚数を数えたら1枚足らず、不審に思い
足元を見たら、それが最後の一枚であった」とか、「田植えを終えた百姓が、
田を何回数えても2枚足らず、諦めて帰ろうと二人の蓑を取り上げたらその
下から2枚の田が現れた」とか。
「蓑の下 耕し残る 田一枚」(続)
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狭い田は座布団1枚分ほどの広さしかなく、そこに植わっている稲は、わず
か6束ほどだと言う。そんな狭い田が多いことから、「せまい田」がなまって
「千枚田」と言われたとも伝えられているが、実際に田は1004枚あるそうだ。
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それでも、こんな急斜面の田だが稲作の水利に不安は無いらしい。
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「年貢の取り立てに来た役人が田の枚数を数えたら1枚足らず、不審に思い
足元を見たら、それが最後の一枚であった」とか、「田植えを終えた百姓が、
田を何回数えても2枚足らず、諦めて帰ろうと二人の蓑を取り上げたらその
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