「明日、今治から夜行バスに乗る」と言う彼女は、千葉まで帰ると言う。
「もう出会うこともないかも・・」と別れた翌朝は、少し肌寒いほどに冷え込んでいた。
この日は58番仙遊寺を打って、その先に宿を取っている。
この間、40キロほどを歩くことに成るので、少しでも早く発とうと、朝食も食べないで、
早々と6時に宿を出た。
おかみさんから「鎌大師」の方に道を取ればすぐにコンビニが有ると聞かされていた
のに、どこでどう間違えたのか海沿いの道を来てしまったのでコンビニがどこにもない。
途中、町中に商店を見つけたが、こんな早朝から開いている筈もない。
更にその先には、道の駅「早風の里・風和里」も有ったが同様閉まっている。
山が海まで迫り、国道には海に押し出されるように新しい歩道が作られている。
所々切り抜かれた床にはグレーチングが嵌められているので、防波堤に打ち砕ける白い
波が真下に見える。
朝日を浴び始めた海は、まだ灰色のままで、その境目には薄いオレンジから白、更に
微かなブルーから、濃い青色に変わる幾層もの色の帯が積み重なった大きな空が広がっ
ている。
景色は申し分ないのに、空腹だけは如何ともしがたい。
途中ジョギング中の女性に尋ねると「コンビニは菊間までありませんよ」とつれない返事。
地図で確認するとまだ5キロ以上先だ。
「おにぎりでも頼んでおけば良かった・・・」
愚痴とため息をつきながら、ただひたすら歩くより仕方がない。(続)
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「もう出会うこともないかも・・」と別れた翌朝は、少し肌寒いほどに冷え込んでいた。
この日は58番仙遊寺を打って、その先に宿を取っている。
この間、40キロほどを歩くことに成るので、少しでも早く発とうと、朝食も食べないで、
早々と6時に宿を出た。
おかみさんから「鎌大師」の方に道を取ればすぐにコンビニが有ると聞かされていた
のに、どこでどう間違えたのか海沿いの道を来てしまったのでコンビニがどこにもない。
途中、町中に商店を見つけたが、こんな早朝から開いている筈もない。
更にその先には、道の駅「早風の里・風和里」も有ったが同様閉まっている。
山が海まで迫り、国道には海に押し出されるように新しい歩道が作られている。
所々切り抜かれた床にはグレーチングが嵌められているので、防波堤に打ち砕ける白い
波が真下に見える。
朝日を浴び始めた海は、まだ灰色のままで、その境目には薄いオレンジから白、更に
微かなブルーから、濃い青色に変わる幾層もの色の帯が積み重なった大きな空が広がっ
ている。
景色は申し分ないのに、空腹だけは如何ともしがたい。
途中ジョギング中の女性に尋ねると「コンビニは菊間までありませんよ」とつれない返事。
地図で確認するとまだ5キロ以上先だ。
「おにぎりでも頼んでおけば良かった・・・」
愚痴とため息をつきながら、ただひたすら歩くより仕方がない。(続)
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