2017年公開のダンガルの日本語字幕版を観た。
これもストーリーはその時書いているので、
今回は解説と感想にとどめる。
インド映画界のミスター・パーフェクト:
アーミール・カーンの主演である。
この俳優はやたらめったら映画に出ない。選びに選んだ作品、
それも社会に一石を投じるような作品が多い。
この作品は実在するインドの元アマチュアレスリング選手
マハヴィル・シン・フォーガットと彼の2人の娘
(ギータとバビータ)の物語である。
映画の前にこの映画はマハヴィル・シン・フォーガット、
ギータ、バビータ以外は脚色していると言うような但し書きがあった。
ヒンディー語版でも(英語で)記載されいたとは思うが、
字幕まで追えないので気が付かなかった。
まぁそうだよね。事実は小説より奇なりとはいうけど、
ちょっとそれは・・・みたいな所はあった。
インドでスポーツと言うとスリケットである。
最近では国を挙げてサッカーや他のスポーツも勧めてるが、
やっぱりプロのスポーツはクリケットである。
それにスポーツよりは勉強と言うのが一般的なインドの家庭の方針だ。
つまりスポーツをするにはお金がかかる。
またスポーツでお金が稼げるのは一握り、
それより英語でも勉強した方がお金になる・・・と言う考え方だ。
ましてアマチュアスポーツではお金は稼げない。
インドには13億人を超える国民がいる。
NASAで働く科学者に代表されるように、
その頭脳ばかりが注目されているが、
スポーツの才能がある国民も相当数いるはずだ。
もしインドが国を挙げてスポーツ選手の育成に力を注げば、
オリンピックなどの国際大会で脅威となるはずである。
その事もこの映画では触れている。
最初、いやがる二人の娘にレスリングの特訓を始めるところは、
やはり児童虐待を感じさせられた。
2人の友達が14歳で見ず知らずの男性と結婚させられる場面で、
その花嫁が二人を諭す・・・
そこではインドの女性の立場をクローズアップしている。
花嫁の家では女性は家事を教えこまれ、
14歳になると知らない男性に嫁がされる。
それだけで、両親は子供の事を考えていない、愛はないと。
ところがギターとバビータの父親は二人に愛情を注いでいると。
それを聞いた二人が今まではイヤイヤやっていた(やらされていた)
レスリングに自らの意志で取り組んでいく。
女性がレスリング・・・と蔑んで笑っていた周り(国の)の人々が、
2人の活躍によって変わっていく様子。
とにかくアーミール・カーンは、
映画と言う解りやすく庶民の目に触れる機会が多く、
影響を及ぼせるツールを利用し、
インドを変えて行こうとする現代の革命家だと思う。
ちなみに私は特にファンと言う事ではない。
私はラジニ様、SRK、アルジュン・ランパールのファン。 ≪ 関連記事 ≫
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