カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「パンドラ・アイランド」大沢在昌

2021年10月15日 22時15分59秒 | 本 / BOOKS

タイトルに惹かれて手に取ったのだが推理小説だった。

小笠原諸島から近い青國島と言う孤島が舞台である。
島民が1000人弱でアクセスの悪さと島民が
観光客を拒んでいるため自然が残っている。

そこの保安官として41歳の元刑事高州が赴任する。
青國島は小笠原諸島が返還された後にアメリカから返還された島で、
支配下当時にコカインを製造していたと言う伝説があり、
噂を聞き移住してきた人間達と村長を始めとした島民たちとの関係、
伝説の真偽・・・。

前任者が病死し残った6か月の任期のため高州保安官は、
刑事時代の心の傷を癒すために赴任してくるが、
事件に巻き込まれて行く。

前編は高州保安官が着任し島の歴史や地理を知っていく過程で
島民の中で返還前からの住民、返還後に帰ってきた住民、
よそ者とみなされている移住者の三者の関係を知る。
そしてコカインで得た裏金は存在するのか?

拳銃を使った殺人事件が起きた後、事態は大きく展開していく。
事件解決のため本庁からかつての上司がやって来るが、
高州は保安官と言う立場であるがために捜査には加われず、
村からも圧力をかけられるが自身が得た情報と推理で犯人を
追い詰めていく。

私は途中で死んだとされている人物が生きており、
背格好の似た人物を身代わりにしている事に気づいたのだが、
いろいろな人物が絡んでおり動機までは読めなかった。

アメリカから返還された閉鎖的な孤島を舞台にした事、
コカインの裏金とお金に目がくらんだ人々とそれぞれの事情。
よそ者である高州保安官の立場と島民との関係、
そして心の葛藤・・・。なかなか読みごたえがあった。

コメント
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