カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「幻夜」東野圭吾

2021年10月28日 22時18分59秒 | 本 / BOOKS

白夜行の続編と言われているが登場人物は異なる。
白夜行の最後で主人公の男性は死亡してしまっているし、
どちらかと言えば男性が女性の夢を叶えるために、
自主的に手助けをしていくようなストーリーだった。

こちらは魔性の女とその女を愛するがために操られ、
悪事に手を染める男の物語である。

原作は2004年に発行され2010年に、
深田恭子、塚本高史主演でドラマ化されている。

1995年の阪神淡路大震災の夜、被災に見せかけて、
叔父を殺した水原雅也。その現場に居合わせた新海美冬。

美冬は目撃したとは言わないまま雅也を誘い上京する。
そこから二人は愛し合うようになっていくのだが、
実は美冬は自分が成り上がるために雅也を巧みに操っていた。

自身の野望のために自分の手を汚す事も恐れず、
邪魔者は陥れたり、排除(抹殺)したり、
飴と鞭を使い分けて男たちを手玉に取って行く。

ある時点から雅也は自分が利用されている事に気づき、
美冬の過去を洗いだし、他人に成りすましている事を知る。

美冬が自分が本当の美冬でない事を暴露しそうな人物を
雅也に抹殺させた事から、失踪事件を捜査する刑事がやって来る。
刑事も自身のカンと推理と捜査から美冬の恐ろしい計画に気づく。

雅也は(おそらく)美冬を自分だけのものにするためと、
恐ろしい計画を終わらせるため、その片棒を担がされた
責任を取るために美冬を殺そうとするが・・・・

この作品も最後に雅也が死んでしまうのだが、
白夜行と異なるのは美冬自身が計画を練って、
自分自身も手を下しているので、雅也が死んでしまっても、
その魔性で第2の雅也を作り上げるだろう事は想像できる。

雅也が途中で良心の呵責に苛まれた事で、
美冬の計画は途中で終わってしまうのだが、
雅也が刑事を道連れに(事故だが)死んでしまったため、
美冬が計画して雅也と行った悪事は明るみには出なかった。

刑事は刑事のカンがあり証拠はなくても怪しいと思う事はある。
似たような事は税関(笑)後ろめたい事をしている人物に
目を付ける職業的経験とカンには恐れ入る。

しかし・・・美冬を怪しむ人物もいるが、
まんまと美貌と演技に騙される男性達は馬鹿だなぁと思う。

解説には白夜行3部作と書いてあったが、
今のところ3作目は出版されていない。

コメント
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