法律事務所の疾走人調査部に席を置く、
20代中盤の若者、佐久間公が主人公である。
1982年の大沢在昌のデビュー作である。
まず思ったのは代表作である新宿鮫の主人公とも被るが、
公の彼女が女子大生だと言う事。
なくはないけど・・・まれだろう。
新宿鮫では刑事・鮫島の恋人はロックシンガーである。
作者の願望かなぁ。
デビュー作「感傷の街角」から始める短編集をまとめた物。
読み切りなので読みやすいし、公が人脈を利用しながら、
疾走人を見つけて行くのも解りやすい。
1982年の時代背景を思い出しながら、
その筋(不良とかチンピラとかやくざとか、笑)や
舞台となる街の雰囲気が蘇ってくるところも良かった。
なにしろ同じ時代に・・・と言うのが鍵である。
同じ時代を生きていないと共感できないな、きっと。
同じ時代を解る人には楽しめると思う。