カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「麒麟の翼」東野圭吾

2023年03月10日 21時48分59秒 | 本 / BOOKS

2011年の東野圭吾の推理小説。
刑事・加賀恭一郎シリーズの9作目。

ある日、日本橋をふらふらと歩く男が、
麒麟像にもたれかかり死んでしまう。
胸にはナイフが刺さっていた。

日本橋署の加賀と加賀の従弟で警視庁の松宮が、
捜査にあたる。殺された男・青柳の財布と鞄をもった、
若い男・八島が交通事故に遭い死んでしまう。

八島が金品を奪うために青柳を刺したのか?
二人の関係は? 刺された青柳はなぜ助けを呼ばずに、
日本橋まで歩いてきたのか?

加賀と松宮は真相を究明するために、
二人の周りを調べて行く。

調べて行くうちに八島が青柳の会社の工場で、
バイトしていた事が判る。労災で怪我を負った八島が、
事故隠しによって仕事も辞めさせられ、
後遺症によって仕事につけなくなっていた事を突き止める。

しかし・・・実際はこれは真相ではなく、
過去に隠された事件が殺人に繋がっていた事が判る。

青柳がなぜ助けを呼ばず麒麟像まで歩いて行ったのか?
青柳は自らの命と引き換えに何を伝えようとしたのか?

 加賀の推理・・・まぁ仮説であるが、
 独特な角度から焦点を当て、
 真実に迫って行く過程は、なるほどと思わせる。

 そして、他の作品にも言える事だが、
 単に真実を暴くと言うより、関係者の心に迫り、
 大切な物を思い出させると言うか、
 教えて行くと言うか、正義とは何か?を核にして、
 真犯人が自白するように仕向けて行くのだ。

 これぞ刑事・加賀恭一郎である。

 2012年に「赤い指」「新参者」と合わせたストーリーで、
 映画化された。加賀役は阿部寛、松宮は溝端順平。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする