東野圭吾の推理小説。
物理学者・湯川学助教授がトリックに挑む、
2008年発行のシリーズ第4作目。全5作品。
湯川の大学時代の友人の刑事・草薙と、
新人の女性刑事・内海薫がコンビを組む。
草薙は湯川に内海を紹介する。
内海は湯川の個性に翻弄されながらも、
真摯な態度で接し信頼を得て行く。
2作品目では、湯川の恩師が犯人である。
湯川は科学や物理学を犯罪に利用される事を許さない。
(当然だが)恩師であったとしても。
トリックを暴いて行く事が恩師の知られざる部分を、
知ってしまうのだが、なんだか愛を感じるのだった。
5作品目は、湯川に挑戦状をたたきつける犯人が現れ、
湯川は不本意ながらも事件にかかわっていく。
いつも思うのだが・・・・
湯川は警察の人間ではないし、
たまたま草薙刑事と同級生だっただけにすぎない。
探偵と言う稼業でもないし大学助教授と言う、
善意の一般人である。
本人は自分の知識と経験が犯罪を暴くのが楽しいわけではなく、
無駄な実験はないと言う考え方からそうしているだけ、
なのであるが・・・・。
警察にも鑑識や科捜研があるが、
天才的でかたくなな(堅物だけども)研究者の性が、
違った切り口となっていて新しい。
仕事ではない(お金をもらっていない)と言うのも、
あるのかもしれない。
湯川のキャラクターも面白くなってきた。
草薙と相対する内海も女性と言う考え方や、
カンも鋭い所をついているし。