カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「私が彼を殺した」東野圭吾

2023年03月17日 21時51分59秒 | 本 / BOOKS

1999年発行の東野圭吾の推理小説、
刑事・加賀恭一郎シリーズの第5段。

面白いのは登場人物で殺人事件の容疑者3人の、
それぞれの回顧録が順番につづられている事だ。

脚本家の穂高誠が結婚式当日に死亡する。
死因は毒殺、常時飲んでいた鼻炎薬のカプセルに
毒が仕込んであった。

穂高は女癖が悪い上に映画製作の失敗で自身の会社も
危ない状態だったため、再婚相手に詩人の神林美和子を選んだ。
そのために付き合っていた浪岡準子を捨てたわけだが、
その準子が結婚式の前日に穂高の自宅で自殺してしまう。
動物病院に勤務していた準子が病院から毒薬を持ち出し、
穂高を殺して自分も死のうとしたらしい。

当然、隠そうとした穂高は大学の同級生で、
借金の肩代わりを事で会社を任せている駿河直之に
死体を自宅に運ばせ尻ぬぐいをさせる。

死体を運んでいる所を目撃した編集者で、
穂高の前の恋人でやはり捨てられた雪笹香織。

そして再婚相手の神林美和子の兄で美和子と禁断の関係
(平たく言えば近親相関)である神林貴弘。

この3人は穂高を殺す動機があるが、
毒薬を仕込むチャンスがあったのは誰か?

と言うところが争点となり、加賀が独自の推理から、
真犯人を追い詰めて行く。

最後の場面では容疑者3人を集め、
自白するように追い詰めて行く。

 「どちらかが彼女を殺した」と同様、
 最後に犯人の名前は記されてなく、
 読者に推理するようにと言う事らしい。

 前作では容疑者は2人。今回は3人であるが、
 私は今回の方が解りやすかったように思う。
 前回の事があったからそのつもりで読んだからかもしれないが。

コメント
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