カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「虚ろな十字架」東野圭吾

2023年09月13日 21時16分59秒 | 本 / BOOKS

2014年刊行の東野圭吾のサスペンス小説。

「死刑」について考えさせられる。
殺人の被害者の家族は犯人に死刑を望む。
人を殺したのだから、死んで償うのは当たり前である。
しかし死刑になっても、死んでしまった被害者は生き返らない。

生きて罪を償うべきなのか、死をもって償うべきなのか。
難しい・・・自分が被害者家族であれば死刑を望むだろう。
死には死を・・・。

このテーマを考えて読み進んで行くと・・・
もう一つのストーリーが絡んでくる。

中原道正と小夜子の夫婦には小学校2年生の娘・愛美がいた。
愛美は小夜子が夕飯の買い物に出かけた時、留守番をしていたが、
空き巣に入った強盗に殺されてしまう。

正道と小夜子は犯人に死刑を望む。犯人は仮出所時に強盗に入り
罪もない幼女を殺した事で死刑判決を受ける。

しかし正道と小夜子は二人でいると愛美の事を思い出してしまい、
哀しくて仕方がないと言う理由で離婚する。
離婚後、正道は親戚が営んでいたペットの葬儀屋の会社を引き継ぎ、
二人は会う事もなく11年が経過する。

ある日、愛美の事件を捜査した刑事の佐山が正道の元を訪ね、
小夜子が殺された事を告げる。小夜子はフリーライターとなり、
死刑廃止反対の活動をしていた事を知る。

小夜子を殺した犯人はあっさりと自首し逮捕される。
お金に困って行き当たりばったり的に後をつけて、
刺して金品を奪って逃げたのだが、逃げ切れないと
自首してきたと供述する。

年老いた小夜子の両親は犯人に死刑を望むが、
犯人は初犯であり高齢であった事もあり、
死刑判決は出そうにない。

正道は謝罪したいと言う犯人の娘夫婦と会い話を聞くが、
娘の夫は小児科医で善人のようだった。
正道は小夜子が取材していた犯罪者から話を聞くうちに、
隠された過去の出来事を知る事になる。

この医師が小児科医になった理由は彼の過去にあった。
そして犯人の娘との結婚にも、その過去が影響していた。

コメント
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