2003年発行の東野圭吾の小説。
弟を大学に入れるため強盗殺人を犯してしまった兄が
刑務所から弟に送る手紙がテーマである。
強盗殺人犯の弟になってしまった主人公が、
人生においていつも、そのレッテルを貼られてしまう。
学生生活も就職も恋愛も結婚も、強盗殺人犯の弟である事で
挫折してしまう。
2006年に映画化されたが、原作とキャスティングが・・・
主人公の武島直樹役が山田孝之なのはいいとして、
兄の剛志役が玉山鉄二! かっこよすぎるだろ(笑)
直樹に一途な思いを寄せる由美子役が沢尻エリカ!
原作ではブスではないが朴訥なイメージなのに・・・・。
弟の気持ちも知らないで刑務所から手紙を出す兄。
兄から手紙が来る度に強盗殺人犯の弟である事を気に病み、
逃れるように引っ越しを繰り返すが、
強盗殺人犯の兄がいる事で上手くいきかけた事が、
行かなくなってしまう。
理解者である由美子と結婚し娘を授かるが、
またしても世間は強盗殺人犯の兄がいる事を暴き、
娘はいじめを受けてしまう。
そして直樹は娘を守るために、
兄に絶縁すると言う最後の手紙を書く。
被害者の家族も大変だと思うが、
犯罪者の家族の事を考えた事はなかった。
いろいろな局面で身元調査された場合、
家族に犯罪者がいたら上手くいかない事が多いだろう。
人が犯罪を犯す時、そこまで考えないだろうし。
強盗殺人を犯した自分が強盗殺人犯と呼ばれる事は、
自業自得なので仕方ない。
しかし、強盗殺人犯の弟、強盗殺人犯の子供、強盗殺人犯の孫、
強盗殺人犯の・・・・と呼ばれる事は・・・。
自身が犯した罪ではないのに・・・・。
犯罪を犯そうとした時にそこまで考えて思い留まって欲しい。
犯罪者の家族と呼ばれる人がいる事を。
自分が同じ立場に立った時に、納得できるのか??
出来はしないのだから。