ース 社会 【衝撃事件の核心】スズメバチ駆除で爆発、自宅炎上 「どこがスペシャリストやねん!」家族怒り心頭、法廷闘争の行方
【衝撃事件の核心】スズメバチ駆除で爆発、自宅炎上 「どこがスペシャリストやねん!」家族怒り心頭、法廷闘争の行方
11:04
まさかスズメバチの巣の駆除を頼んで、自宅が炎上するとは…。民放テレビ局のバラエティー番組でも紹介された業者はインターネットのホームページで「駆除のスペシャリスト」と宣伝していた
(産経新聞)
その毒針にかかれば、ショック死することもあるスズメバチ。獰猛(どうもう)な性格でも知られ、自宅に巣でもできようものなら、おちおち洗濯もしていられない。京都府内のある家庭も、そんなのっぴきならないスズメバチ危機にさらされ、インターネットで見つけた駆除業者に巣の撤去を依頼した。テレビでも取り上げられたことがある業者だったが、安心もつかの間。作業中に何と、自宅が炎上焼失するという本物の災厄に見舞われてしまう。「故意に近い重大な過失だ」。家族側は業者側に計約5800万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に訴訟を起こした。
「駆除のスペシャリスト」
スズメバチが巣を作ったのは、京都府南部の山田家(仮名)。70代の夫婦、30代長男と孫娘の4人で暮らしていたその家に、災難は突如としてやってきた。
訴状によると平成26年10月、山田家の愛犬がスズメバチに刺され、数日後に死亡。さらに長男も刺される被害に遭った。木造平屋建ての母屋は、かやぶきにトタンをかぶせた構造になっている。一家はこのかやぶきのどこかに、巣があると確信した。
長男はネットでスズメバチ駆除業者を検索。すると大阪市内のある業者がヒットした。
「24時間すぐに対応」
「駆除のスペシャリスト」
業者のホームページは映画の宣伝サイトのような凝ったつくりで、民放のバラエティー番組で駆除作業が取り上げられたことも動画付きで紹介されている。
ここなら、大丈夫そうだ-。長男は安心感を抱き、さっそくその日の夜に業者に連絡をとった。
「ハチは夕方に巣に戻ってくるので、その時間以降に駆除した方が効果的です」
業者は長男にそう伝えた。
爆発、炎上…命からがらの避難
次の日の夕刻、作業員2人が山田家に臨場した。
だが、スペシャリストであるはずの2人の行動は、素人目にもどこかおかしかった。
かやぶきのどこに巣があるのか特定しないまま作業をスタートさせ、いきなり薬剤のスプレーを散布したのだという。
スプレー攻撃を受けたスズメバチは当然、逆襲を仕掛けてくる。どこからともなく飛来したハチにおびえたのか、2人は頭上のかやぶきの中に発煙装置をほうり込み、煙幕を張った。
これが災難の引き金となった。
散布したスプレーのガスが充満しているところに、発煙装置を投入したのだ。当たり前の帰結として、引火した。
ここで「火が付いてしまった」と正直に申告してくれれば、まだ良かったかもしれない。だが、作業員らは当時家にいた夫婦らに火災発生を知らせず、「水を使いたい」とだけ申し出たという。
自分たちだけで消火しようと試みたようだが、火はみるみるうちに広がっていく。そのうち、爆発音がとどろいた。
夫婦らもようやく火災に気づいたが、時すでに遅し。一緒にいた孫娘と命からがら、逃げ出すので精いっぱいだった。貴重品や位牌(いはい)、思い出の品など何一つ持ち出すことができなかったという。
怒りの提訴
スズメバチの巣を駆除するはずが、大事なマイホームを焼失した山田家。駆除業者と作業員2人を相手取り、自宅の損害や片付け費用、慰謝料など計約5800万円の賠償を求めて提訴に踏み切った。
訴状には、山田家の怒りがにじむ。
「出火直後に報告があれば、消火を手伝うことで鎮火できた可能性もあった」
「ガスで充満したかやぶき内に発煙装置を入れれば、装置の火の粉が引火することは容易に想像できる」
「2人が専門業者としてハチの駆除作業をしていたことも踏まえると、故意にも近い重大な過失による火災だ」
山田家の代理人弁護士によると、業者側は書面の提出にも応じず、連絡が取れない状態だという。作業員2人もそれぞれ過失は認めていない。
年間20人前後が死亡
スズメバチはハチの中でも大きく、性格も凶暴だ。巣に近寄らないことが一番だが、巣があることに気づかずに、刺されてしまうことも多い。
厚生労働省によると、26年にハチに刺されて死亡した人は14人。その前の年は24人で、年間20人前後で推移している。大半がスズメバチの被害とみられ、毒ヘビによる死者の数を上回っている。
自治体によっては、ハチの巣の駆除を行っているところもあるが、大阪市などは「土地の所有者、管理者が自らの責任で行うよう、お願いしている」(担当者)と、自己処理が原則。かといって、素人が駆除できるようなものでもないため、結局は業者に頼ることになる。
だが、行政の許認可や資格が必要とされていないため、どの業者がいいか選ぶのは簡単ではない。消費者センターには料金トラブルの相談も寄せられているという。
害虫駆除業者の研修などを行っている公益社団法人「日本ペストコントロール協会」(東京)は、有害生物の防除技術を持つ「ペストコントロール技術者」の資格認定を行っている。スズメバチだけでなく、シロアリやネズミなどの防除に関する知識を問い、作業員のレベルアップを図っている。
同協会の会員は、全国の約890業者。今回の業者は会員ではないようだが、協会ではスズメバチの駆除にあたって、依頼者への説明を徹底するよう会員に求めているという。
「いざ実際に現場へ行くと、巣の位置によっては天井板や壁板をはがさなければならないケースがあるので、その際は依頼主の了解をきちんと取ること」
「使用する薬剤の成分、作業代金が当初の見積もりと変わる場合などについても、依頼主に事前に説明すること」
協会の機関誌にはトラブル防止の指南のほか、スズメバチの巣へ殺虫剤を吹き付ける手順についても細かく書かれている。
協会の広報担当者は、スズメバチ駆除で火災が発生したケースはこれまで聞いたことがないという。「手順を守ってしっかりやれば家を燃やしてしまうことはないだろうが…」
「スズメを撃つのに大砲を使うな」とは、目的と手段とのバランスを説いた重要な言葉である。「ハチの巣を駆除するのに家ごと燃やすな」と言い換えてもいい。
雀蜂の巣焼いても家焼くなと言う
いことです。専門家なのに研究不足ですね。
【衝撃事件の核心】スズメバチ駆除で爆発、自宅炎上 「どこがスペシャリストやねん!」家族怒り心頭、法廷闘争の行方
11:04
まさかスズメバチの巣の駆除を頼んで、自宅が炎上するとは…。民放テレビ局のバラエティー番組でも紹介された業者はインターネットのホームページで「駆除のスペシャリスト」と宣伝していた
(産経新聞)
その毒針にかかれば、ショック死することもあるスズメバチ。獰猛(どうもう)な性格でも知られ、自宅に巣でもできようものなら、おちおち洗濯もしていられない。京都府内のある家庭も、そんなのっぴきならないスズメバチ危機にさらされ、インターネットで見つけた駆除業者に巣の撤去を依頼した。テレビでも取り上げられたことがある業者だったが、安心もつかの間。作業中に何と、自宅が炎上焼失するという本物の災厄に見舞われてしまう。「故意に近い重大な過失だ」。家族側は業者側に計約5800万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に訴訟を起こした。
「駆除のスペシャリスト」
スズメバチが巣を作ったのは、京都府南部の山田家(仮名)。70代の夫婦、30代長男と孫娘の4人で暮らしていたその家に、災難は突如としてやってきた。
訴状によると平成26年10月、山田家の愛犬がスズメバチに刺され、数日後に死亡。さらに長男も刺される被害に遭った。木造平屋建ての母屋は、かやぶきにトタンをかぶせた構造になっている。一家はこのかやぶきのどこかに、巣があると確信した。
長男はネットでスズメバチ駆除業者を検索。すると大阪市内のある業者がヒットした。
「24時間すぐに対応」
「駆除のスペシャリスト」
業者のホームページは映画の宣伝サイトのような凝ったつくりで、民放のバラエティー番組で駆除作業が取り上げられたことも動画付きで紹介されている。
ここなら、大丈夫そうだ-。長男は安心感を抱き、さっそくその日の夜に業者に連絡をとった。
「ハチは夕方に巣に戻ってくるので、その時間以降に駆除した方が効果的です」
業者は長男にそう伝えた。
爆発、炎上…命からがらの避難
次の日の夕刻、作業員2人が山田家に臨場した。
だが、スペシャリストであるはずの2人の行動は、素人目にもどこかおかしかった。
かやぶきのどこに巣があるのか特定しないまま作業をスタートさせ、いきなり薬剤のスプレーを散布したのだという。
スプレー攻撃を受けたスズメバチは当然、逆襲を仕掛けてくる。どこからともなく飛来したハチにおびえたのか、2人は頭上のかやぶきの中に発煙装置をほうり込み、煙幕を張った。
これが災難の引き金となった。
散布したスプレーのガスが充満しているところに、発煙装置を投入したのだ。当たり前の帰結として、引火した。
ここで「火が付いてしまった」と正直に申告してくれれば、まだ良かったかもしれない。だが、作業員らは当時家にいた夫婦らに火災発生を知らせず、「水を使いたい」とだけ申し出たという。
自分たちだけで消火しようと試みたようだが、火はみるみるうちに広がっていく。そのうち、爆発音がとどろいた。
夫婦らもようやく火災に気づいたが、時すでに遅し。一緒にいた孫娘と命からがら、逃げ出すので精いっぱいだった。貴重品や位牌(いはい)、思い出の品など何一つ持ち出すことができなかったという。
怒りの提訴
スズメバチの巣を駆除するはずが、大事なマイホームを焼失した山田家。駆除業者と作業員2人を相手取り、自宅の損害や片付け費用、慰謝料など計約5800万円の賠償を求めて提訴に踏み切った。
訴状には、山田家の怒りがにじむ。
「出火直後に報告があれば、消火を手伝うことで鎮火できた可能性もあった」
「ガスで充満したかやぶき内に発煙装置を入れれば、装置の火の粉が引火することは容易に想像できる」
「2人が専門業者としてハチの駆除作業をしていたことも踏まえると、故意にも近い重大な過失による火災だ」
山田家の代理人弁護士によると、業者側は書面の提出にも応じず、連絡が取れない状態だという。作業員2人もそれぞれ過失は認めていない。
年間20人前後が死亡
スズメバチはハチの中でも大きく、性格も凶暴だ。巣に近寄らないことが一番だが、巣があることに気づかずに、刺されてしまうことも多い。
厚生労働省によると、26年にハチに刺されて死亡した人は14人。その前の年は24人で、年間20人前後で推移している。大半がスズメバチの被害とみられ、毒ヘビによる死者の数を上回っている。
自治体によっては、ハチの巣の駆除を行っているところもあるが、大阪市などは「土地の所有者、管理者が自らの責任で行うよう、お願いしている」(担当者)と、自己処理が原則。かといって、素人が駆除できるようなものでもないため、結局は業者に頼ることになる。
だが、行政の許認可や資格が必要とされていないため、どの業者がいいか選ぶのは簡単ではない。消費者センターには料金トラブルの相談も寄せられているという。
害虫駆除業者の研修などを行っている公益社団法人「日本ペストコントロール協会」(東京)は、有害生物の防除技術を持つ「ペストコントロール技術者」の資格認定を行っている。スズメバチだけでなく、シロアリやネズミなどの防除に関する知識を問い、作業員のレベルアップを図っている。
同協会の会員は、全国の約890業者。今回の業者は会員ではないようだが、協会ではスズメバチの駆除にあたって、依頼者への説明を徹底するよう会員に求めているという。
「いざ実際に現場へ行くと、巣の位置によっては天井板や壁板をはがさなければならないケースがあるので、その際は依頼主の了解をきちんと取ること」
「使用する薬剤の成分、作業代金が当初の見積もりと変わる場合などについても、依頼主に事前に説明すること」
協会の機関誌にはトラブル防止の指南のほか、スズメバチの巣へ殺虫剤を吹き付ける手順についても細かく書かれている。
協会の広報担当者は、スズメバチ駆除で火災が発生したケースはこれまで聞いたことがないという。「手順を守ってしっかりやれば家を燃やしてしまうことはないだろうが…」
「スズメを撃つのに大砲を使うな」とは、目的と手段とのバランスを説いた重要な言葉である。「ハチの巣を駆除するのに家ごと燃やすな」と言い換えてもいい。
雀蜂の巣焼いても家焼くなと言う
いことです。専門家なのに研究不足ですね。
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