大阪府が2025年大阪・関西万博に学校単位で無料招待する事業を巡り、府議会は5日、教員らによる会場への十分な下見機会を確保することや、事業に関する保護者の問い合わせ窓口を設けることなどを求める教員有志らの請願を全会一致で採択した。教員らは記者会見を開き「請願が通って終わりでなく、求めた内容を府が完遂することを見届けたい」と述べた。

万博への無料招待について府は、府内在住の4歳から高校生を対象とする方針で、学校単位での校外学習などでの来場を想定。府教育庁による意向調査では、交野市が学校単位での参加を見送るとしたが、府内の小中高校などのうち全体の約8割にあたる1526校が参加を希望した。

ただ、校外学習にあたり、観覧できるパビリオンが調整できず事前調査ができないことや、会場への下見が十分にできるのかという懸念が学校現場からあがっていた。

請願書は、現役教員らでつくる「おまかせHR研究会」が9月、府議会に提出。教職員や児童生徒に万博情報を周知する▽学校が希望する時期に下見し、万博への引率ができないと判断した場合も下見にかかった費用を求めない▽保護者なども問い合わせできる府の窓口の設置−などを求めた。

最終的に来場を取りやめることにした学校が下見した際の入場料については、すでに日本国際博覧会協会が請求しないことを決定している。

同研究会メンバーで府立高教諭の森長明さん(25)は、同日夜の会見で「請願に向けて動く中で府などの方針が変わりつつあり、効果を感じている。多くの人に関心を持ってもらえたら」と話した