ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

エディ・コスタ/ガイス・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス

2012-07-08 18:27:29 | ジャズ(クールジャズ)

本日は白人ジャズマン、エディ・コスタが1958年に録音した「ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス」を取り上げたいと思います。ジャズファンの間では昔から隠れ名盤として知られていますが、コーラルというマイナー・レーベルの作品だけあってなかなかゲットできませんでした。今回のJAZZ THE BESTお宝コレクションでめでたく再発売となり、喜び勇んで購入した次第です。



コスタは代表作「ハウス・オヴ・ブルー・ライツ」で知られるようにむしろピアニストとして有名ですが、本作ではもう一つの得意楽器であるヴァイブの演奏に専念しています。代わりにピアノを弾くのが当時まだ新進気鋭の若手に過ぎなかったビル・エヴァンス。この起用が結果的に大正解で、若きエヴァンスのフレッシュなプレイが作品のレベルを数段高めています。他のメンバーはベースがエリントン楽団でも活躍した名手ウェンデル・マーシャル、ドラムが後にエヴァンスと伝説のトリオを結成するポール・モティアンとなっています。

収録曲は全てフランク・レッサーが作曲を手掛けたミュージカル「ガイズ・アンド・ドールズ」からのナンバー。ミュージカル自体は今では全く無名ですが、収録曲の“If I Were A Bell”(マイルス・デイヴィスの演奏が特に有名)や“I've Never Been In Love Before”はスタンダード曲としてすっかり定着していますね。もちろん本盤でも両曲は演奏されており、特に後者のバラードとアップテンポを織り交ぜた演奏は秀逸です。ただ、私のベストトラックはオープニングの“Guys And Dolls”。エヴァンスのドライビング感抜群のソロに引っ張られるようにコスタも軽快なマレット捌きを披露する幸福感に満ちた名演です。ラストを締めくくる“I'll Know”の美しいバラード演奏も素晴らしい。エヴァンス特有のリリカルなスタイルはこの時点で既にできあがっています。たとえエディ・コスタのことはあまり知らなくても、エヴァンスが好きな人なら必聴の名盤と言えるのではないでしょうか?

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