ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

アル・コーン&ズート・シムズ/アル・アンド・ズート

2012-07-01 11:24:28 | ジャズ(クールジャズ)

本日取り上げるのは名テナー奏者アル・コーンとズート・シムズが1957年にコーラル・レーベルに残したその名もずばり「アル・アンド・ズート」です。この2人はジャズ史に残る名コンビとして有名で、他にもUA盤「ハーフノートの夜」、マーキュリー盤「ユー&ミー」等をリーダー作品として残しています。ハンク・モブレー、ジョン・コルトレーンも加えた4テナーによる「テナー・コンクレイブ」なんてのもありましたね。



2人とも白人ですが、同時期に流行したウェストコースト・ジャズのような洗練されたイメージはなく、よりアーシーなスタイルが特徴的です。特にレスター・ヤングの強い影響を受けたズートのコクのあるテナーは絶品ですね。共演のモーズ・アリソン(ピアノ)、テディ・コティック(ベース)、ニック・スタビュラス(ドラム)も全て白人ですが、南部出身のモーズの朴訥としたピアノ、ジョージ・ウォーリントンのバンドでハードバップにどっぷりつかったコティック&スタビュラスのプレイも2人をうまくサポートしています。

曲はスタンダードが3曲、残りは編曲者としても有名なアルが書き下ろしています。特にほのぼのしたスタンダード“It's A Wonderful World”、スインギーな“Brandy And Beer”、両者ともクラリネットを奏でるオールドファッションな“Two Funky People”と続く前半の3曲がお薦めです。途中やや中だるみする感は否めませんが、スタビュラスのドラムが大活躍する“The Wailing Boat”、軽快なスタンダード“Just You, Just Me”とアップテンポな2曲で締めくくられます。2テナーと言ってもいわゆるテナーバトルもののような緊張感はなく、全編リラックスして楽しめるアルバムではないでしょうか?

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