約2週間ぶりの更新です。今日もJAZZ THE BESTお宝コレクションからの1枚ですが、極めつきのコレクターズアイテムを紹介します。謎のトランペッター、ジーン・ショーの「ブレイクスルー」。1962年にシカゴの名門レーベル、アーゴに残された作品です。そもそもジーン・ショーって誰やねんというのが大方のジャズファンのつぶやきでしょうが、フルネームはクラレンス・ユージーン・ショー。クラレンス・ショーの名前でチャールズ・ミンガスの「ティファナ・ムーズ」「イースト・コースティング」に参加していたトランペッターと言えば、よほどジャズ通の人ならわかってくれると思います。ただ、それ以外ではほとんど目にしないのでマイナーであることに変わりはないですね。それ以上に無名なのが残りのメンバー。テナーのシャーマン・モリソン、ピアノのジェイムズ・テイラー、ベースのシドニー・ロビンソン、ドラムのバーナード・マーティン。私の知識をフル動員しても全く聞いたことない名前ばかりです。
ただ、そんな名もなきミュージシャン達がなかなか痛快な演奏を聴かせてくれるのがジャズの奥深いところです。曲はオリジナル中心ですが、中でも軽やかなボサノバ調の“Marj”とそれに続くワルツ風の“Six Bits”が秀逸。両曲とも実にキャッチーで親しみやすいメロディを持った隠れ名曲です。ラストの哀愁漂う“It's A Long Way”も捨てがたい。1曲だけ既知の曲が入っていますが、それがかの有名な「ウェストサイドストーリー」の“Tonight”。マイナー調の演奏で“Dear Old Stockholm”を意識したようなアレンジが施されています。演奏ですがショーのプレイはさすがに名だたる一流トランペッターと比較すれば、高音部の音のハリなどが弱い気がします。でも、独特のくすんだ音色が曲の雰囲気とマッチしているのでさほど気になりません。他の無名ジャズメン達も及第点の演奏。何よりも楽曲が魅力的なので十分傾聴に値する作品となっています。騙されたと思って聴いてみてほしい1枚です。
ただ、そんな名もなきミュージシャン達がなかなか痛快な演奏を聴かせてくれるのがジャズの奥深いところです。曲はオリジナル中心ですが、中でも軽やかなボサノバ調の“Marj”とそれに続くワルツ風の“Six Bits”が秀逸。両曲とも実にキャッチーで親しみやすいメロディを持った隠れ名曲です。ラストの哀愁漂う“It's A Long Way”も捨てがたい。1曲だけ既知の曲が入っていますが、それがかの有名な「ウェストサイドストーリー」の“Tonight”。マイナー調の演奏で“Dear Old Stockholm”を意識したようなアレンジが施されています。演奏ですがショーのプレイはさすがに名だたる一流トランペッターと比較すれば、高音部の音のハリなどが弱い気がします。でも、独特のくすんだ音色が曲の雰囲気とマッチしているのでさほど気になりません。他の無名ジャズメン達も及第点の演奏。何よりも楽曲が魅力的なので十分傾聴に値する作品となっています。騙されたと思って聴いてみてほしい1枚です。