ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

フィリー・ジョー・ジョーンズ/フィリー・ジョーズ・ビート

2012-08-24 21:32:22 | ジャズ(ハードバップ)

本日は名ドラマー、フィリー・ジョー・ジョーンズが1960年にアトランティックに録音した「フィリー・ジョーズ・ビート」を取り上げます。本ブログでは以前にもエルヴィン・ジョーンズとの共演作「トゥギャザー!」を取り上げているので2度目ですね。前回はドラムが大々的にフィーチャーされた作品でしたが、本作はトランペットとテナーを加えたオーソドックスなクインテット編成です。



メンバーはリーダーのフィリー・ジョー(ドラム)に加え、マイケル・ダウンズ(コルネット)、ビル・バロン(テナー)、ウォルター・デイヴィス・ジュニア(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)。デイヴィスとチェンバースはまあいいとして、フロントの2人があまり馴染みがないですね。ビル・バロンはピアニストのケニー・バロンのお兄さんということしか知りませんし、マイケル・ダウンズに関しては名前を聞いたことすらありません。解説によると白人らしいですが、これがまた小型版ナット・アダレイとでも言うべき小気味よいプレイを聴かせてくれます。バロンのテナーも意外と正統派ですね。

曲目はどれもミドルからアップテンポのナンバー。マイルスの名演で名高い“Dear Old Stockhokm”、ディジー・ガレスピーの“Two Bass Hit”“That's Earl Brother”、フィリー・ジョーのオリジナル“Got To Take Another Chance”、メロディの印象的な“Muse Rapture”などこれぞハードバップと言うべき演奏が全編にわたって繰り広げられます。フィリー・ジョーは随所でドラムソロを披露しますが、決して前に出すぎることなくダウンズやバロンら無名の若手をバックで盛り立てているところが好ましいですね。

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