本日はチック・コリアの記念すべき初リーダー作「トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ」を取り上げます。録音は1966年、アトランティックの傍系レーベルVortexから発売された作品です。チック・コリアは今ではキース・ジャレット、ハービー・ハンコックと並んでジャズ・ピアノの生ける伝説の一人ですが私のように50年代、60年代のハードバップを偏愛している者からすれば、むしろ新世代のジャズメンという感じがします。(チックも38歳の若造にそんなこと言われたくないでしょうが・・・)
サポート・メンバーはウディ・ショー(トランペット)、ジョー・ファレル(テナー)、スティーヴ・スワロウ(ベース)、ジョー・チェンバース(ドラム)。いかにも“新主流派”と言った面々が揃っています。チック初期の作品と言えばピアノトリオの「ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス」が有名ですが、私はこの2管編成による分厚いサウンドの方が好きですね。特にウディ・ショーは過小評価されていますが、フレディ・ハバードに勝るとも劣らぬ技量の持ち主で、本作でもブリリアントなラッパを存分に聴かせてくれます。
曲は全4曲のみですが、40分近くとボリューム的には十分。1曲目“Litha”は翌年チックが参加したスタン・ゲッツの「スウィート・レイン」でのバージョンの方が有名ですが、クールなゲッツ盤に比べてかなりアグレッシブな演奏です。2曲目“This Is New”は唯一のスタンダード曲。こちらはケニー・ドリューがドナルド・バード、ハンク・モブレーと組んで録音したバージョンが有名ですが、同じ楽器編成でも直球ハードバップのドリュー盤に比べて斬新かつモダンな響きが印象的です。3曲目“Tones For Joan's Bones”は管楽器の抜けたトリオ演奏。ここではリリカルで美しいチックのピアノが堪能できます。最後の“Straight Up And Down”は急速調のモーダルナンバー。途中のショー&ファレルのソロはアグレッシブを通り越して、フリーと言ってもいいかもしれません。以上、バラエティにも富んだ内容で60年代後半のジャズシーンを象徴する名盤と言えるのではないでしょうか?
サポート・メンバーはウディ・ショー(トランペット)、ジョー・ファレル(テナー)、スティーヴ・スワロウ(ベース)、ジョー・チェンバース(ドラム)。いかにも“新主流派”と言った面々が揃っています。チック初期の作品と言えばピアノトリオの「ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス」が有名ですが、私はこの2管編成による分厚いサウンドの方が好きですね。特にウディ・ショーは過小評価されていますが、フレディ・ハバードに勝るとも劣らぬ技量の持ち主で、本作でもブリリアントなラッパを存分に聴かせてくれます。
曲は全4曲のみですが、40分近くとボリューム的には十分。1曲目“Litha”は翌年チックが参加したスタン・ゲッツの「スウィート・レイン」でのバージョンの方が有名ですが、クールなゲッツ盤に比べてかなりアグレッシブな演奏です。2曲目“This Is New”は唯一のスタンダード曲。こちらはケニー・ドリューがドナルド・バード、ハンク・モブレーと組んで録音したバージョンが有名ですが、同じ楽器編成でも直球ハードバップのドリュー盤に比べて斬新かつモダンな響きが印象的です。3曲目“Tones For Joan's Bones”は管楽器の抜けたトリオ演奏。ここではリリカルで美しいチックのピアノが堪能できます。最後の“Straight Up And Down”は急速調のモーダルナンバー。途中のショー&ファレルのソロはアグレッシブを通り越して、フリーと言ってもいいかもしれません。以上、バラエティにも富んだ内容で60年代後半のジャズシーンを象徴する名盤と言えるのではないでしょうか?