本日はクラウン・レコードの紙ジャケコレクションからコールマン・ホーキンスの「ザ・ホーク・スウィングス」を取り上げます。ホーキンスと言えば、1920年代から活躍する超ベテラン。録音時の1960年で56歳とまさに“大御所”です。ただ、同年代のベン・ウェブスターもそうですが、ホーキンスはハードバップ世代のミュージシャンとも積極的に活動しており、アルバムもたくさん残しています。ヴァーヴに残した「ジェリコの戦い」が特に有名ですが、個人的にはムーズヴィル盤「ザ・ホーク・リラクシーズ」も隠れ名盤として高く評価しています。
本作のメンバーはサド・ジョーンズ(トランペット)、エディ・コスタ(ピアノ)、ジョージ・デュヴィヴィエ(ベース)、オシー・ジョンソン(ドラム)。派手ではありませんが、いぶし銀のメンバーが揃っています。ホーキンズのテナーはどちらかと言うとオールドスタイルですから、もろハードバップと言うより中間派的なメンバーの方が合うのかもしれません。曲目については詳しい紹介がなく、全部オリジナルと思われますが、どれもトラディショナルな香りのするジャズ。ホーキンスはアップテンポでもスローなブルースでも関係なく、悠然と持ち前の野太いブロウを聴かせます。サドの乾いたトランペット、意外と正統派なコスタのピアノも印象的です。ただ、ホーキンスの真骨頂と言えばやはりバラード演奏。ラストの“Shadows”でのダンディズムあふれるテナーソロには惚れ惚れするばかりです。
本日紹介するアトランティック名盤シリーズはジョー・ザヴィヌルの「マネー・イン・ザ・ポケット」です。ジョー・ザヴィヌルは以前にも紹介しましたが、オーストリア出身のピアニストでまずキャノンボール・アダレイとの共演で脚光を浴び、70年代にはウェイン・ショーターとウェザー・リポートを結成、フュージョン・ブームを巻き起こしました。本作は1966年ですから、キャノンボールのグループに在籍していた頃の作品です。
サポートメンバーは何気に豪華です。フロントがブルー・ミッチェル(トランペット)、ジョー・ヘンダーソン(テナー)、ペッパー・アダムス(バリトン)。ベースとドラムはキャノンボール・グループの同僚であるサム・ジョーンズ&ルイス・ヘイズです。1曲目の“Money In The Pocket”だけ、テナーがクリフ・ジョーダン、ベースがボブ・クランショー、ドラムがロイ・マカーディに代わっていますが、いずれにせよ当時のジャズシーンの一流所ばかりですね。
曲はメンバーのオリジナルが中心。ザヴィヌルはかの“Mercy, Mercy, Mercy”を作曲したようにヨーロッパ人ながらファンキーな曲調を得意としていますが、本作ではタイトルチューンの“Money In The Pocket”“Some More Of Dat”がまさにその路線です。ただ、個人的にはモーダルな曲調の方が好みですかね。特にザヴィヌル作の“Midnight Mood”“Riverbed”は魅力的なメロディを持った佳曲です。ピアノトリオで演奏される“Sharon's Waltz”もしっとりした名バラード。ピアノソロの“My One And Only Love”だけは明らかに浮いてますが、全体的にバランスの取れた好盤だと思います。
サポートメンバーは何気に豪華です。フロントがブルー・ミッチェル(トランペット)、ジョー・ヘンダーソン(テナー)、ペッパー・アダムス(バリトン)。ベースとドラムはキャノンボール・グループの同僚であるサム・ジョーンズ&ルイス・ヘイズです。1曲目の“Money In The Pocket”だけ、テナーがクリフ・ジョーダン、ベースがボブ・クランショー、ドラムがロイ・マカーディに代わっていますが、いずれにせよ当時のジャズシーンの一流所ばかりですね。
曲はメンバーのオリジナルが中心。ザヴィヌルはかの“Mercy, Mercy, Mercy”を作曲したようにヨーロッパ人ながらファンキーな曲調を得意としていますが、本作ではタイトルチューンの“Money In The Pocket”“Some More Of Dat”がまさにその路線です。ただ、個人的にはモーダルな曲調の方が好みですかね。特にザヴィヌル作の“Midnight Mood”“Riverbed”は魅力的なメロディを持った佳曲です。ピアノトリオで演奏される“Sharon's Waltz”もしっとりした名バラード。ピアノソロの“My One And Only Love”だけは明らかに浮いてますが、全体的にバランスの取れた好盤だと思います。