アイク・ケベックと言えば1940年代から活躍するベテランで草創期のブルーノートの看板プレイヤーの一人だったらしいですが、その割に録音数が少なくメジャーに成り切れない存在ではないでしょうか?原因はドラッグ。当時のジャズ界はジャンキーだらけと言っても過言ではないですが、ケベックは特に重症で、モダンジャズ全盛期の50年代をクスリでほぼ棒に振ってしまいました。デクスター・ゴードンも似たようなパターンですが、60年代の復帰以降は第一線で活躍し続けたゴードンに対し、ケベックは復帰して間もない1963年にガンのため44歳で世を去ってしまう不幸ぶり。その間に残したリーダー作はわずか4枚。ただ、吹き込んだのがブルーノートだったこともあり、比較的容易に再発盤を手に入れることができるのは不幸中の幸いというべきでしょう。
今日ご紹介する「ヘヴィ・ソウル」は4枚のうち最初の作品で、録音は1961年。サポートメンバーはフレディ・ローチ(オルガン)、ミルト・ヒントン(ベース)、アル・ヘアウッド(ドラム)が務めています。ピアノではなくオルガンが入っているのが特徴で、よりアーシーかつソウルフルな空気が漂っています。ケベックのテナーも豪快そのもので、メロディアスなアドリブを追求するというより、ひたすらワイルドに吹き切るといった感じ。当時主流だったハードバップとは一味違い、むしろベン・ウェブスターやイリノイ・ジャケーに近いスタイルですね。正直やや古臭く聴こえてしまうのは否めませんが、冒頭“Acquitted”のパワフルなテナーにはやはり圧倒されるものがあります。ローチのオルガンもノリノリですね。ただ、ケベックの真骨頂はむしろバラード演奏にありと言っていいでしょう。“Just One More Chance”“The Man I Love”“I Want A Little Girl”と言ったスタンダード曲におけるダンディズムあふれる雄大なテナーソロは素晴らしいの一言です。
今日ご紹介する「ヘヴィ・ソウル」は4枚のうち最初の作品で、録音は1961年。サポートメンバーはフレディ・ローチ(オルガン)、ミルト・ヒントン(ベース)、アル・ヘアウッド(ドラム)が務めています。ピアノではなくオルガンが入っているのが特徴で、よりアーシーかつソウルフルな空気が漂っています。ケベックのテナーも豪快そのもので、メロディアスなアドリブを追求するというより、ひたすらワイルドに吹き切るといった感じ。当時主流だったハードバップとは一味違い、むしろベン・ウェブスターやイリノイ・ジャケーに近いスタイルですね。正直やや古臭く聴こえてしまうのは否めませんが、冒頭“Acquitted”のパワフルなテナーにはやはり圧倒されるものがあります。ローチのオルガンもノリノリですね。ただ、ケベックの真骨頂はむしろバラード演奏にありと言っていいでしょう。“Just One More Chance”“The Man I Love”“I Want A Little Girl”と言ったスタンダード曲におけるダンディズムあふれる雄大なテナーソロは素晴らしいの一言です。