ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

タビー・ヘイズ/タビーズ・グルーブ

2013-01-13 20:10:31 | ジャズ(ヨーロッパ)

今日も澤野工房のヨーロッパジャズ復刻シリーズからの1枚です。以前、ジャズ・クーリアーズの項でも取り上げたタビー・ヘイズの単独ソロ作品です。タビーと言えば60年代以降はフォンタナ・レーベルに「ダウン・イン・ザ・ヴィレッジ」を筆頭に多くのリーダー作を残しますが、本作は1959年12月にテンポ・レーベルに残した1枚。ちょうどジャズ・クーリアーズを解散した直後ですが、リズムセクションはクーリアーズ時代の仲間であるテリー・シャノン(ピアノ)、ジェフ・クライン(ベース)、フィル・シーメン(ドラム)が固めています。



内容はジャズ・クーリーアーズ時代と同様に潔いまでの正統派ハードバップ。ディジー・ガレスピー作のけだるいラテンナンバー“Tin Tin Deo”、スタンダードを朗々と歌い上げる“Like Someone In Love”“Sunny Monday”、自作のブルース“Blue Hayes”と全曲粒揃いの内容です。中でもイチ押しは“Surrey With The Fringe On Top”。ミディアムテンポで演奏されることが多いスタンダード曲を思い切ってスピーディ&パワフルに吹き切っています。ピアノやドラムとの掛け合いもスリリングですね。他では1曲だけヴァイブで演奏した“Embers”も要注目。複数の楽器を操るジャズメンは多くいますがテナーとヴァイブの二刀流と言うのは私の知る限りタビーくらいのものでしょう。ここでのタビーは一転してMJQを思わせるような典雅なバラード演奏を聴かせてくれます。

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