プレスティッジと言えば黒人ハードバップの専門レーベルという印象が強いですが、初期は白人ジャズマンの作品も結構あるんですね。本日ご紹介するズート・シムズもその1枚です。もともとズートは白人でありながら同時代のウェストコーストジャズとは毛色が異なり、アーシーでコクのあるテナーが売りなので、同レーベルのラインナップの中でも違和感はありませんが。録音は2つに分かれていて1950年9月のセッションではジョン・ルイス(ピアノ)、カーリー・ラッセル(ベース)、ドン・ラモンド(ドラム)、1951年8月のセッションではハリー・ビス(ピアノ)、クライド・ロンバルディ(ベース)、アート・ブレイキー(ドラム)がそれぞれリズムセクションを務めています。
全9曲。うちズートのオリジナル曲である“Zoot Swings The Blues”が2テイクあり、特にテイク1は8分を超える長尺の演奏。この時代のビバップは2~3分の短い曲が主流なだけに異例の長さと言えるでしょう。とめどなく歌心あふれるフレーズを繰り出すズートのプレイが圧巻ですが、後半のアート・ブレイキーのパワフルなドラミングも注目です。ただ、11分に及ぶ“East Of The Sun”は無理矢理時間を引き延ばした感が否めません。5分前後に一旦演奏が終了しかけたと思ったら、またズートのソロが始まってあれ?という感じです。それ以外は全て2~3分程度の短い演奏ですが、ズートのオリジナル“Trotting”、スタンダードの“It Had To Be You”“Dancing In The Dark”あたりがお薦めです。ズートは当時まだ20代半ばですが、玄人好みのプレイスタイルは既に完成されています。滑らかなアドリブと温かみのあるトーンはジャズテナーの手本と言っても過言ではないでしょう。
全9曲。うちズートのオリジナル曲である“Zoot Swings The Blues”が2テイクあり、特にテイク1は8分を超える長尺の演奏。この時代のビバップは2~3分の短い曲が主流なだけに異例の長さと言えるでしょう。とめどなく歌心あふれるフレーズを繰り出すズートのプレイが圧巻ですが、後半のアート・ブレイキーのパワフルなドラミングも注目です。ただ、11分に及ぶ“East Of The Sun”は無理矢理時間を引き延ばした感が否めません。5分前後に一旦演奏が終了しかけたと思ったら、またズートのソロが始まってあれ?という感じです。それ以外は全て2~3分程度の短い演奏ですが、ズートのオリジナル“Trotting”、スタンダードの“It Had To Be You”“Dancing In The Dark”あたりがお薦めです。ズートは当時まだ20代半ばですが、玄人好みのプレイスタイルは既に完成されています。滑らかなアドリブと温かみのあるトーンはジャズテナーの手本と言っても過言ではないでしょう。