ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

カイ・ウィンディング&J・J・ジョンソン/K+J・J

2013-01-11 22:37:39 | ジャズ(ビバップ)
モダンジャズの歴史をひもとくと、同じ楽器の演奏者同士によるコンビ作品が多々ありますが、その中でもテナーのアル&ズートと並んで最も有名なのがトロンボーンのカイ&JJではないでしょうか?白人のカイ・ウィンディングと黒人のJ・J・ジョンソンによる当時では珍しい人種混成のコンビですが、この2人は妙に気が合ったらしく他にもサヴォイ、コロンビア、インパルスなどに10枚を超える双頭リーダー作を残しています。本作は1955年にベツレヘムに残した作品で、リズムセクションはピアノがディック・カッツ、ベースが曲によってウェンデル・マーシャルとミルト・ヒントンが交代、ドラムがアル・ヘアウッドとなっています。こちらもカッツが白人、それ以外が黒人という構成です。



曲は全10曲。CDにはさらに別テイクが7曲入ってますが、余程のマニアでない限りオリジナルだけ聴けばよいでしょう。スタンダードとオリジナルがほぼ半々収録されており、前者では“Lover”“It's All Right With Me”がお薦め。特に後者はカイとJ・Jによるスリリングなインタープレイが繰り広げられます。オリジナル曲ではJ・J作の“Lope City”“Stolen Bass”がなかなかの出来。銅鑼を叩くようなイントロのカイ作“Gong Rock”はあまり良いと思いませんが。演奏の方はディック・カッツが時折ピアノソロを聴かせるものの、他は全面的に2人のトロンボーンにスポットライトが当てられた内容。一応ライナーノーツにソロの順番が書いてありますが、正直私には違いがよくわかりませんし、どっちが吹いてるかなんて気にせずに気楽に楽しむのが正解でしょう。
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