お正月の楽しみの1つである食べ物。お節料理やお雑煮には、地域差が大きい。
秋田では、雑煮は焼いた角餅を醤油(すまし)仕立て。鶏肉が入る家庭も多いでしょうか。
秋田だけでなく津軽地方もそうだけど、お節料理を大みそかのうちから食べるのが、他地域から来た人には珍しがられる。別に「年取り膳」「年取り魚」として焼き魚を食べる風習もあるそうで、それとお節が融合して簡略化された結果なのかもしれない。
秋田のお節のメニューで特徴的なものは、ハタハタずしと真っ赤な酢ダコだろうか。
飯寿しであるハタハタずしは、自家製のお宅もあるようだけど、店でも売られている。切り身を漬けた「切り寿司」と、頭だけ取ってそのまま漬ける「一匹寿司」とがある。
我が家はいつも購入していますが、今年はたまたま一匹寿司。今年のハタハタ漁はサイズが大きくなくて良くなかったそうだが、寿司のハタハタも小さかった。(下のほうの写真参照)
あと、お節の飾りのような「ちょろぎ」は広く食べられると思うが、その代表的な産地が秋田県らしい。シソ科のその名も「チョロギ」という植物の根を酢漬けにする。
全国ほとんどの地域でお節の定番食材といえば、紅白あるいは卵が入った伊達巻といったカマボコではないでしょうか。
ところで、秋田県民(秋田市民?)に「カマボコのメーカーを挙げて」といえば、多くの人が「宮城屋」と答えるはず。
「宮城屋のカマボコ」は秋田県民には親しみのあるブランドだが、「たけやのパン」「ヤマヨの麺」「さっちゃんの麺」のような、秋田限定の企業・ブランド。
正式には「株式会社 宮城屋蒲鉾店」で、奥羽本線と羽越本線と太平川に挟まれた秋田市楢山大元町に本社・工場がある。ホームページ2つ(http://www.miyagiya.co.jpとhttp://www.miyagiya-kamaboko.com/)に、ブログにツイッターまであるけれど、どれも中途半端なのは、秋田の企業らしいかな…
「全国かまぼこ連合会」に所属する秋田県内唯一の企業でもあるらしく、まさに秋田県を代表するカマボコ屋さんであろう。(ちなみに東北地方他県で同連合会には青森2社、山形4社、福島2社、笹かまの宮城県はさすがにたくさん所属している)
宮城屋の直営小売店舗は大町店と広面店があって、カマボコ販売のほか、ソバなどが食べられる喫茶もあるのかな?
(再掲)大町店
大町店は通町の通りのいちばん東端・通町橋のたもとにあり、所在地は「大町一丁目1番1号」。
先日、循環バスぐるるの車内で、仙台から旅行に来たらしい親子連れと乗り合わせた。宮城屋大町店の前を通ると「“宮城”屋だって!」と興味深そうに眺めていた。
全国的にカマボコといえば小田原と仙台だけど、その仙台と関係があって「宮城屋」なのだろうか。現在の代表者は後藤さんらしい。
【2020年12月4日追記】秋田放送が発行するフリーペーパー「otto(オットー)」8号(2020年12月)の連載「逸品gem」で、宮城屋が取り上げられていた。「昭和2年創業」「店名の由来は出自の宮城県石巻市から。」創業者が秋田へ移住し、今は3代目。「県内唯一のかまぼこ専門店」とのこと。
屋号は「五」と「徳」を組み合わせたもの
宮城屋では、アワビとかアナゴとかチーズとかいろんな具材を使ったカマボコをいろいろ作っていて直営店で購入できるほか、一部商品はスーパーでも売っている。
年末にいくつかの秋田市内のスーパーのカマボコ売り場を覗いてみると、大手メーカーは紀文(東京都)、堀川(新潟市)、あとは伏見(新潟市)など。各社の製品や販売網もあって、小田原のものなんかはあまり来ないのだろうか(鈴廣は少々あったようだ)。
そして、宮城屋が県外資本大手に負けずにがんばっていた。例えばイオンリテールでも、売り場の3分の1ほどは、宮城屋の製品で占められていた。
宮城屋の正月向けカマボコは、定番の伊達巻、それに緑色のなるとのでっかいようなの(名称忘れた【2015年12月29日追記】「青巻」だった。スーパーでは扱わない店も多い)もあるけれど、我が家で外せないのはこの2つ。
巴巻と寅巻
今年はハーフサイズ(370g)を購入。伊達巻は300gで700円ほどなのに、どちらも1000円ほどした。
【2015年12月29日追記】フルサイズは750gで2000円前後する。【2016年1月1日追記】通販サイトによれば、長さはフルサイズが21センチ、ハーフサイズが10センチ。
【2022年12月28日追記・各種商品の値上げが進んだ2022年末では、ハーフ375グラム1700円(8%税込み)、フル750グラム2500円程度】
「巴巻」「寅巻」どちらも、宮城屋オリジナルの商品らしい。特に巴巻のほうはホームページでは「日本で唯一のオリジナル蒲鉾です。」となっている。
Googleでそれぞれを画像検索しても、カマボコの画像としては宮城屋のものしか出てこない。
どちらも、タラ、イトヨリダイ、卵を使っている。
パッケージには「たまご仕込み巴巻」「きくらげ仕込み寅巻」とあるように、ゆで玉子や刻んだキクラゲを中に入れて、伊達巻みたいな“皮”で巻いたカマボコということになる。(だから巴巻は中も外も卵【1月5日追記】ただし、皮部分に混ぜられた玉子の量は伊達巻よりは少ないらしく、伊達巻ほどボソボソではなく、どちらかと言えばしっとりツルンとした食感)
どちらも中心部と皮の境界部分には少し緑色が入っている。
巴巻
寅巻(と後ろにハタハタ寿司)
巴巻は断面に玉子が3つ並ぶのを「三つ巴」に見立てた命名だろうか。作るのは技術が求められるかもしれない。
【7日追記】考えてみれば、巴巻でゆで玉子の端を見たことがないし、卵の黄身の食感も普通のゆで玉子とは違う。おそらく、白身と黄身に分けてゆでたものを、巻く時に半円にしたゆで玉子っぽい形になるようにしているのだろう。
寅巻は色合いからトラのイメージだろうか。ホームページの一部の画像では、皮の部分が中まで入り込んで「の」の字状になり、トラの尾のように見えるものもある。
僕は小さい頃から、ほんのり甘いこれらのカマボコが好きだったけれど、秋田ならではのものだと知ると、さらに愛着が湧くものだ。
【2015年12月29日追記】上記の通り大きさや価格は、寅巻と巴巻で同じ。ただし、巴巻のほうが消費期限が数日短く、扱う店舗も少ないようだ。寅巻のみを扱う店舗、巴巻はハーフサイズだけを扱う店舗もあった。巴巻は卵を使っているので日持ちせず、それを嫌う店があるのかもしれない。
【2016年12月23日追記】秋田放送の番組によれば、同社の売り上げ(?)ランキングでは、1位寅巻、2位ベーコンチーズ巻、3位巴巻。巴巻にはマヨネーズを付けて食べるのもおすすめとのこと。
※その後、巴巻に変化(?)が生じた。
【2019年12月19日追記】高知県に「大丸」というカマボコがあることを知った。複数のメーカーが製造販売。中央部にゆで卵がそのまま入ったカマボコで、すり身部分は白やピンクで、表面は茶色いものもあるようだ。デザインは違うが、寅巻とコンセプトは同じ。「皿鉢料理」の1品だったり、正月に食べたりするそうだ。
ついでに、宮城屋大町店の斜め向かい、老舗菓子店「高砂堂」の商品からも1つ。
(再掲)
明治27年創業で、大正7年築の重厚な店舗が今も使われている。
※秋田には他にも「○○高砂堂」という菓子店があるが、それらは(分家とかのれん分けとかによる)別経営なので、商品はまったく別物。
看板商品は「りんごもち」というリンゴ風味の羽二重餅だけど、こんな商品を久々にお目にかかって思い出した。
蕗せんべい
直径8センチほどの円形の薄い最中の皮みたいなお菓子。
秋田蕗らしきものを刈り取る(? あるいは持つ?)人の絵と「蕗せんべい」という文字の焼き印が押されている。パッケージの品名表示欄は「ふきせんべい」。原料に蕗は使われていない。(色や焼き印は他のバリエーションもあるはず)
中には白あんベースの羊羹状のあんこ
挟まれたあんは、バナナ風味。
そうそう。僕が子どもの頃は、この商品は「芭蕉せんべい」という名だった記憶がある。
バナナに似たバショウという植物があって、たまに秋田でも生育する(象潟の蚶満寺とか)。バナナ味の連想から、芭蕉せんべいかと思っていたが…
秋田県横手市の「木村屋」では、これとほぼ同じ「芭蕉せんべい」が大正2年からあるそうだ。
また、青森県弘前市周辺のいくつかの店や秋田県大館市の煉屋では、バナナ風味のあんを入れた「バナナ最中」がある。昔はバナナが貴重だったというし、これらはバナナへの憧れからできたお菓子なんだろうか。
ちなみに、全国的には別の「芭蕉せんべい」があるそうだ。
主に関西方面に多いらしく、縁日でも売られるようだが、バショウの葉から連想した細長いせんべいだそう。
秋田では、雑煮は焼いた角餅を醤油(すまし)仕立て。鶏肉が入る家庭も多いでしょうか。
秋田だけでなく津軽地方もそうだけど、お節料理を大みそかのうちから食べるのが、他地域から来た人には珍しがられる。別に「年取り膳」「年取り魚」として焼き魚を食べる風習もあるそうで、それとお節が融合して簡略化された結果なのかもしれない。
秋田のお節のメニューで特徴的なものは、ハタハタずしと真っ赤な酢ダコだろうか。
飯寿しであるハタハタずしは、自家製のお宅もあるようだけど、店でも売られている。切り身を漬けた「切り寿司」と、頭だけ取ってそのまま漬ける「一匹寿司」とがある。
我が家はいつも購入していますが、今年はたまたま一匹寿司。今年のハタハタ漁はサイズが大きくなくて良くなかったそうだが、寿司のハタハタも小さかった。(下のほうの写真参照)
あと、お節の飾りのような「ちょろぎ」は広く食べられると思うが、その代表的な産地が秋田県らしい。シソ科のその名も「チョロギ」という植物の根を酢漬けにする。
全国ほとんどの地域でお節の定番食材といえば、紅白あるいは卵が入った伊達巻といったカマボコではないでしょうか。
ところで、秋田県民(秋田市民?)に「カマボコのメーカーを挙げて」といえば、多くの人が「宮城屋」と答えるはず。
「宮城屋のカマボコ」は秋田県民には親しみのあるブランドだが、「たけやのパン」「ヤマヨの麺」「さっちゃんの麺」のような、秋田限定の企業・ブランド。
正式には「株式会社 宮城屋蒲鉾店」で、奥羽本線と羽越本線と太平川に挟まれた秋田市楢山大元町に本社・工場がある。ホームページ2つ(http://www.miyagiya.co.jpとhttp://www.miyagiya-kamaboko.com/)に、ブログにツイッターまであるけれど、どれも中途半端なのは、秋田の企業らしいかな…
「全国かまぼこ連合会」に所属する秋田県内唯一の企業でもあるらしく、まさに秋田県を代表するカマボコ屋さんであろう。(ちなみに東北地方他県で同連合会には青森2社、山形4社、福島2社、笹かまの宮城県はさすがにたくさん所属している)
宮城屋の直営小売店舗は大町店と広面店があって、カマボコ販売のほか、ソバなどが食べられる喫茶もあるのかな?

大町店は通町の通りのいちばん東端・通町橋のたもとにあり、所在地は「大町一丁目1番1号」。
先日、循環バスぐるるの車内で、仙台から旅行に来たらしい親子連れと乗り合わせた。宮城屋大町店の前を通ると「“宮城”屋だって!」と興味深そうに眺めていた。
全国的にカマボコといえば小田原と仙台だけど、その仙台と関係があって「宮城屋」なのだろうか。現在の代表者は後藤さんらしい。
【2020年12月4日追記】秋田放送が発行するフリーペーパー「otto(オットー)」8号(2020年12月)の連載「逸品gem」で、宮城屋が取り上げられていた。「昭和2年創業」「店名の由来は出自の宮城県石巻市から。」創業者が秋田へ移住し、今は3代目。「県内唯一のかまぼこ専門店」とのこと。

宮城屋では、アワビとかアナゴとかチーズとかいろんな具材を使ったカマボコをいろいろ作っていて直営店で購入できるほか、一部商品はスーパーでも売っている。
年末にいくつかの秋田市内のスーパーのカマボコ売り場を覗いてみると、大手メーカーは紀文(東京都)、堀川(新潟市)、あとは伏見(新潟市)など。各社の製品や販売網もあって、小田原のものなんかはあまり来ないのだろうか(鈴廣は少々あったようだ)。
そして、宮城屋が県外資本大手に負けずにがんばっていた。例えばイオンリテールでも、売り場の3分の1ほどは、宮城屋の製品で占められていた。
宮城屋の正月向けカマボコは、定番の伊達巻、それに緑色のなるとのでっかいようなの(

今年はハーフサイズ(370g)を購入。伊達巻は300gで700円ほどなのに、どちらも1000円ほどした。
【2015年12月29日追記】フルサイズは750gで2000円前後する。【2016年1月1日追記】通販サイトによれば、長さはフルサイズが21センチ、ハーフサイズが10センチ。
【2022年12月28日追記・各種商品の値上げが進んだ2022年末では、ハーフ375グラム1700円(8%税込み)、フル750グラム2500円程度】
「巴巻」「寅巻」どちらも、宮城屋オリジナルの商品らしい。特に巴巻のほうはホームページでは「日本で唯一のオリジナル蒲鉾です。」となっている。
Googleでそれぞれを画像検索しても、カマボコの画像としては宮城屋のものしか出てこない。
どちらも、タラ、イトヨリダイ、卵を使っている。
パッケージには「たまご仕込み巴巻」「きくらげ仕込み寅巻」とあるように、ゆで玉子や刻んだキクラゲを中に入れて、伊達巻みたいな“皮”で巻いたカマボコということになる。(だから巴巻は中も外も卵【1月5日追記】ただし、皮部分に混ぜられた玉子の量は伊達巻よりは少ないらしく、伊達巻ほどボソボソではなく、どちらかと言えばしっとりツルンとした食感)
どちらも中心部と皮の境界部分には少し緑色が入っている。


巴巻は断面に玉子が3つ並ぶのを「三つ巴」に見立てた命名だろうか。作るのは技術が求められるかもしれない。
【7日追記】考えてみれば、巴巻でゆで玉子の端を見たことがないし、卵の黄身の食感も普通のゆで玉子とは違う。おそらく、白身と黄身に分けてゆでたものを、巻く時に半円にしたゆで玉子っぽい形になるようにしているのだろう。
寅巻は色合いからトラのイメージだろうか。ホームページの一部の画像では、皮の部分が中まで入り込んで「の」の字状になり、トラの尾のように見えるものもある。
僕は小さい頃から、ほんのり甘いこれらのカマボコが好きだったけれど、秋田ならではのものだと知ると、さらに愛着が湧くものだ。
【2015年12月29日追記】上記の通り大きさや価格は、寅巻と巴巻で同じ。ただし、巴巻のほうが消費期限が数日短く、扱う店舗も少ないようだ。寅巻のみを扱う店舗、巴巻はハーフサイズだけを扱う店舗もあった。巴巻は卵を使っているので日持ちせず、それを嫌う店があるのかもしれない。
【2016年12月23日追記】秋田放送の番組によれば、同社の売り上げ(?)ランキングでは、1位寅巻、2位ベーコンチーズ巻、3位巴巻。巴巻にはマヨネーズを付けて食べるのもおすすめとのこと。
※その後、巴巻に変化(?)が生じた。
【2019年12月19日追記】高知県に「大丸」というカマボコがあることを知った。複数のメーカーが製造販売。中央部にゆで卵がそのまま入ったカマボコで、すり身部分は白やピンクで、表面は茶色いものもあるようだ。デザインは違うが、寅巻とコンセプトは同じ。「皿鉢料理」の1品だったり、正月に食べたりするそうだ。
ついでに、宮城屋大町店の斜め向かい、老舗菓子店「高砂堂」の商品からも1つ。

明治27年創業で、大正7年築の重厚な店舗が今も使われている。
※秋田には他にも「○○高砂堂」という菓子店があるが、それらは(分家とかのれん分けとかによる)別経営なので、商品はまったく別物。
看板商品は「りんごもち」というリンゴ風味の羽二重餅だけど、こんな商品を久々にお目にかかって思い出した。

直径8センチほどの円形の薄い最中の皮みたいなお菓子。
秋田蕗らしきものを刈り取る(? あるいは持つ?)人の絵と「蕗せんべい」という文字の焼き印が押されている。パッケージの品名表示欄は「ふきせんべい」。原料に蕗は使われていない。(色や焼き印は他のバリエーションもあるはず)

挟まれたあんは、バナナ風味。
そうそう。僕が子どもの頃は、この商品は「芭蕉せんべい」という名だった記憶がある。
バナナに似たバショウという植物があって、たまに秋田でも生育する(象潟の蚶満寺とか)。バナナ味の連想から、芭蕉せんべいかと思っていたが…
秋田県横手市の「木村屋」では、これとほぼ同じ「芭蕉せんべい」が大正2年からあるそうだ。
また、青森県弘前市周辺のいくつかの店や秋田県大館市の煉屋では、バナナ風味のあんを入れた「バナナ最中」がある。昔はバナナが貴重だったというし、これらはバナナへの憧れからできたお菓子なんだろうか。
ちなみに、全国的には別の「芭蕉せんべい」があるそうだ。
主に関西方面に多いらしく、縁日でも売られるようだが、バショウの葉から連想した細長いせんべいだそう。