奥羽本線・羽越本線などを走る普通列車用701系電車のドアは、乗客がボタン(ドアボタン)を押して開閉する。
701系電車。赤丸がドアボタン
首都圏などからの旅行客・帰省客、あるいは地元でも普段電車を利用しない人などが、この方式を取り上げて「手動式」と呼んだり「田舎だから」としているのを目にするが、それらはちょっと違うと思う。
まず、「手動」だとドアそのものをボタンでなく手で動かすようにも受け取れてしまうし、実際にそういう方式も存在する(後述)。正しくは「ボタン式半自動ドア」と呼ぶ。まあ、一般の人には通じにくいだろうから「ボタン式」と呼べば、多くの人に誤解なく通じるだろう。
そして、半自動ドアが採用されている理由は、根本的には「車内保温のため」。停車中の外気の侵入を防ぎ、冷暖房効率を上げること。
特に秋田のような寒冷地では、冬の寒風・吹雪の吹き込み防止には欠かせない装備なのだ。701系以前の車両にはあった「デッキ(出入り部と客室の間に仕切りがあった)」が廃止されたことも半自動が採用された一因ではあるが、使う時に使う所だけを使うのは、理にかなっていると思う。
半自動式ドアは、昨今のエコ・省エネの風潮に合致しているし、最近は街中のお店などの自動ドアでも、ボタン(タッチスイッチ)を押すタイプの自動ドアが以前より増えている。(あれは実は中に乾電池が入っていて、タッチすると赤外線信号が出てドアが開くという、リモコンの原理)
とはいえ、停車時間が比較的長く、乗降客が少なくないと半自動式にする意味がないだろうから、結果的には「田舎だから」でも間違いではないか…
鉄道車両においては、昭和50年代頃までは、開閉とも乗客自身が手で行う(=走行中でも開きっぱなしのこともある)、いわば「完全手動式ドア」を備えた客車列車がほとんどだった。
一方で、通勤電車のドアは戦前から自動化されていたそうだが、寒冷地を走る電車では、(ボタンでなく)手で開ける「手動式半自動ドア」(発車時は自動で閉まり、走行中は開かない)が国鉄時代から存在した。現在も新潟や長野では使われていて、旅番組の出演者が戸惑うことがある。
ディーゼルカー(気動車)でも同じものが存在し、2007年頃まで花輪線でも一部使われていた。花輪線では完全自動の車(キハ58系)と手動式半自動の車(キハ52形)が混在して使われており、大館運輸区の車掌は「本日は、後ろ(or前)寄りの車両のドアは、自動では開きません。駅に着きましたら、手でお開け願います」と放送していた。※その名残か、今の701系電車でも大館運輸区の車掌は「この電車のドアはボタンを押して開閉する半自動式です。駅に着きましたらボタンを押して…」という放送をよく行っている気がする。【2月11日追記】ある車掌は「この電車のドアは自動では開きません」と表現していた。
ボタン式半自動ドアという仕組みが登場したのは、1972年に川越線・八高線の気動車で既存車両の改造により設置されたのが初めてらしい。
その後、民営化・第3セクター化や客車列車の衰退なども影響したのだろう。1990年代以降は、寒冷地の地方鉄道の新車両には必須のアイテムになっているのではないだろうか。
現在は、古い車両を後から半自動化改造(弘南鉄道や男鹿線の一部など)したり、大都市圏郊外や暖かい地方の列車にも設置されたりしている。使い方は、利用実態や気候に合わせて、通年・全駅で半自動、季節や駅を限定して半自動、ボタンはあるけど基本的に一切使わないなど、さまざま。
JR東日本では、さすがに山手線にはないけれど、中央線や東海道本線の車両には設置されていて、例えば高尾以西や熱海駅での発車前などに使用されている。(ただし、発車直前にいったん全部のドアが自動で開くので、さほど意味がない)
以上を踏まえれば、半自動式のドアはそれほど珍しくも・田舎臭いものでもないと思うのだが… 実際に使う機会があるかどうかは別として。
前置きが長くなりましたが、ここから本題の半自動ドアの「ボタン」について。
ボタンのデザインや設置位置は鉄道会社や車両によってまちまち。そのため、不特定多数が使うものだから大事なはずの、操作性や見つけやすさは違ってしまっている。
改造で設置した弘南鉄道では、ホームセンターで買えそうな壁スイッチを流用したみたいなもの(分かりやすさとしては良好。この記事最後に写真あり)。
JR東海やJR西日本では、特に車内側がドアからやや離れた位置に設置されており、しかも「開」「閉」が左右に並んでいて区別がしづらかった。
1993年に製造が始まり、真っ先に奥羽本線・羽越本線に投入された701系電車では、こんなボタンが設置されている。(記事冒頭の写真も参照)
当時としては標準的なもので、同時期の第3セクター車両や、後付けされた男鹿線用キハ40系でも、ほぼ同一(微妙に違う?)のものが使われている。→キハ40系のボタンと同じものは、この記事中ほどにて
車外側は、ドアに向かって右側の腰の上くらいの位置に、車体に埋め込まれたように白いボタンがある。ボタンが使える時は上部に赤文字で「ドア」と点灯表示される。
車外側
ランプ点灯中に押せば開く旨の説明はあるとはいえ、白くて目立たないボタンだし、表示灯も見にくい。
ボタン自体は、防水のためか、厚いシリコン風のカバーの下に本来のボタンが収まっているような押し心地で比較的力を要する。僕は親指でぐいっと押し込む感じで操作している。
ドアの位置によって、ボタンの地のパネルが横向きのものと縦向きのものがある。
車内側
車内側は、ドアに向かって右の胸より上くらいか。こちらは、「ドア」表示灯、「開」、「閉」ボタンが縦に並び、壁よりも出っ張って角度を付けて設置。
ボタンは直径2.5センチくらいだろうか。銀色の縁に収まった白くて硬いプラスチック製。「開」「閉」の文字がそれぞれ緑と赤で書かれている。
「開」「閉」の文字は、当初は角ゴシック体だった気がするが、今は丸ゴシック体と彫るタイプの名札で使われるような手書きっぽい書体の2種類があるようだ。「ドア」表示灯の文字も、今は細い丸ゴシックだが昔は角ゴシックのものがあったはず。→現在も角ゴシックの「ドア」表示がありました
丸ゴシック体と手書き風書体
ボタンの押し心地は軽いが、ある程度の深さ押し込む必要がある。感じとしては押しボタン式信号のボタンに近い。
下に手すりがあるためか、ボタンがわりと高い位置にあるのと、開・閉が読めない人にはどちらを押せばいいのか分からないのが、難点ではあった。
登場から20年が経つ701系電車では、ここ数年、さまざまな機器や装備の更新が行われている。
パンタグラフ、インバーター、吊手(つり革)、座席の色、行き先表示、各種ワンマン機器等々であるが、昨年末、2両編成の「N32」編成において、ドアボタンが更新された。また、今週頃から2両編成「N27」編成も更新されて運行しているとのこと。
※その後、6月10日には「N31」編成でも新ドアボタンを確認。
新しいドアボタンは、2002年に改造された仙石線用205系電車、2007年に登場した仙台地区用E721系電車などとほぼ同じ、“最新型”。
N32編成にやっと巡り会えた
「ドア」表示灯とボタンが一体化して、ボタンが使える時はその縁がLED(開くほうが緑、閉まるほうは赤)で光る。ボタンはエレベーターでおなじみの(かえって分かりづらいけど)横向き三角のアイコン。さらにその外周を、巨大な黄色い輪が取り囲む(これはボタンではなく、飾り。踏切の非常ボタンの赤い輪の色違いみたいなの)。
※首都圏の列車でも同じものが設置されているが、車内側には黄色い輪がない。使用頻度を考慮して、あえて目立たなくしているのか。
車外側は、従来のボタンと同じ位置で、パネルの縦横が混在するのも同じ。パネル自体がやや大きくなったようで、ネジ止め箇所は4つから6つに増えている。
パネルは「あける Open」が赤い文字で彫られているだけで、「ドア」ランプと「ご注意 ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開きます」の注意書きがなくなったので、スペースが余っている。
国鉄秋田鉄道管理局のマスコットキャラクターだったヒョウの「アッキー」くんが、JR化後に作られたステッカーに残っていたのだが、ドアボタンが更新されてもまだ残っているのがすごい。
キライじゃないけれど、「ボタン」の文字が薄れて読めないよ…
車内側も、取り付け位置は従来と同じ。
デカい!
ボタンが大型化して従来の台座では収まらないため別のものになり、ボタンがある面だけが樹脂から金属に変わった。ボタンの角度はわずかに外向きになったか。
外のボタンと同じ赤で「Open」「Close」が彫られているが、日本語はラベルライターで作った「ひらく(あける じゃなく)」「とじる」が貼ってある。【2015年8月5日追記】この後に更新された編成では、ラベルではなく外側と同様に彫った赤文字。開くほうはやはり「ひらく」。(N17編成で確認)
車内には「ご注意 ランプ点灯中…」の表示があるが、以前はプラスチックの板だったのにシールに替わっていた。
新しいボタン自体は車内外ともおそらく同じもの。黄色い縁取りで巨大に見えるだけで、ボタン自体のサイズは従来よりわずかに大きい程度のようだ。
指先でも楽に押せ、わずかな手応えがあるだけで押しこむ深さはほぼゼロ。特に車外側では、従来よりずっと扱いやすくなったと思う。大きな改善と言えよう。
乗客たちは見慣れぬボタンに一瞬戸惑っていたが、それは分からなくて戸惑うのでなく、今までと違うことへの戸惑いのようだった。20年間同じボタンだったのが別のものに変わったのだから、無理もない。
欲を言えば、車外側にも「ランプ点灯中ボタンを押せば…」シールはあったほうがいいと思うし、車内のボタンの位置を少し下げたほうがいいと思う(手すり移設や配線も必要で難しいけど)。あと、点字もしくは見なくても開閉の区別がつく突起(電話やリモコンの「5」みたいな)はないようだけど、なくていいんだろうか。
なお、開閉予告チャイムなどは従来のままで、今回更新されたのはボタンだけのようだ。
考えてみれば、秋田総合車両センター(旧・土崎工場)では、仙石線用205系など他地域向け車両の改造で、既に多くの新しいドアボタンを設置した実績がある。それを地元の701系にも施したに過ぎないのかもしれない。配線はそのままでボタン部分だけを交換したようだから、さほど難しくもないのかもしれない。
現在進んでいる、行き先表示や運賃表示器の更新については、工場に入ったのに更新される場合とされない場合があるようで、ドアボタンももしかしたら同じことになるかもしれないが、新しいドアボタンが増えていくのは間違いないだろう。
半自動ドアについては、続きます。
※2017年の仙台地区のドアボタン事情はこの記事にて。
※最初に新ドアボタンが採用されたであろう、仙石線205系3100番台について。
※秋田地区などでは少し違うボタンも登場。
701系電車。赤丸がドアボタン
首都圏などからの旅行客・帰省客、あるいは地元でも普段電車を利用しない人などが、この方式を取り上げて「手動式」と呼んだり「田舎だから」としているのを目にするが、それらはちょっと違うと思う。
まず、「手動」だとドアそのものをボタンでなく手で動かすようにも受け取れてしまうし、実際にそういう方式も存在する(後述)。正しくは「ボタン式半自動ドア」と呼ぶ。まあ、一般の人には通じにくいだろうから「ボタン式」と呼べば、多くの人に誤解なく通じるだろう。
そして、半自動ドアが採用されている理由は、根本的には「車内保温のため」。停車中の外気の侵入を防ぎ、冷暖房効率を上げること。
特に秋田のような寒冷地では、冬の寒風・吹雪の吹き込み防止には欠かせない装備なのだ。701系以前の車両にはあった「デッキ(出入り部と客室の間に仕切りがあった)」が廃止されたことも半自動が採用された一因ではあるが、使う時に使う所だけを使うのは、理にかなっていると思う。
半自動式ドアは、昨今のエコ・省エネの風潮に合致しているし、最近は街中のお店などの自動ドアでも、ボタン(タッチスイッチ)を押すタイプの自動ドアが以前より増えている。(あれは実は中に乾電池が入っていて、タッチすると赤外線信号が出てドアが開くという、リモコンの原理)
とはいえ、停車時間が比較的長く、乗降客が少なくないと半自動式にする意味がないだろうから、結果的には「田舎だから」でも間違いではないか…
鉄道車両においては、昭和50年代頃までは、開閉とも乗客自身が手で行う(=走行中でも開きっぱなしのこともある)、いわば「完全手動式ドア」を備えた客車列車がほとんどだった。
一方で、通勤電車のドアは戦前から自動化されていたそうだが、寒冷地を走る電車では、(ボタンでなく)手で開ける「手動式半自動ドア」(発車時は自動で閉まり、走行中は開かない)が国鉄時代から存在した。現在も新潟や長野では使われていて、旅番組の出演者が戸惑うことがある。
ディーゼルカー(気動車)でも同じものが存在し、2007年頃まで花輪線でも一部使われていた。花輪線では完全自動の車(キハ58系)と手動式半自動の車(キハ52形)が混在して使われており、大館運輸区の車掌は「本日は、後ろ(or前)寄りの車両のドアは、自動では開きません。駅に着きましたら、手でお開け願います」と放送していた。※その名残か、今の701系電車でも大館運輸区の車掌は「この電車のドアはボタンを押して開閉する半自動式です。駅に着きましたらボタンを押して…」という放送をよく行っている気がする。【2月11日追記】ある車掌は「この電車のドアは自動では開きません」と表現していた。
ボタン式半自動ドアという仕組みが登場したのは、1972年に川越線・八高線の気動車で既存車両の改造により設置されたのが初めてらしい。
その後、民営化・第3セクター化や客車列車の衰退なども影響したのだろう。1990年代以降は、寒冷地の地方鉄道の新車両には必須のアイテムになっているのではないだろうか。
現在は、古い車両を後から半自動化改造(弘南鉄道や男鹿線の一部など)したり、大都市圏郊外や暖かい地方の列車にも設置されたりしている。使い方は、利用実態や気候に合わせて、通年・全駅で半自動、季節や駅を限定して半自動、ボタンはあるけど基本的に一切使わないなど、さまざま。
JR東日本では、さすがに山手線にはないけれど、中央線や東海道本線の車両には設置されていて、例えば高尾以西や熱海駅での発車前などに使用されている。(ただし、発車直前にいったん全部のドアが自動で開くので、さほど意味がない)
以上を踏まえれば、半自動式のドアはそれほど珍しくも・田舎臭いものでもないと思うのだが… 実際に使う機会があるかどうかは別として。
前置きが長くなりましたが、ここから本題の半自動ドアの「ボタン」について。
ボタンのデザインや設置位置は鉄道会社や車両によってまちまち。そのため、不特定多数が使うものだから大事なはずの、操作性や見つけやすさは違ってしまっている。
改造で設置した弘南鉄道では、ホームセンターで買えそうな壁スイッチを流用したみたいなもの(分かりやすさとしては良好。この記事最後に写真あり)。
JR東海やJR西日本では、特に車内側がドアからやや離れた位置に設置されており、しかも「開」「閉」が左右に並んでいて区別がしづらかった。
1993年に製造が始まり、真っ先に奥羽本線・羽越本線に投入された701系電車では、こんなボタンが設置されている。(記事冒頭の写真も参照)
当時としては標準的なもので、同時期の第3セクター車両や、後付けされた男鹿線用キハ40系でも、ほぼ同一(微妙に違う?)のものが使われている。→キハ40系のボタンと同じものは、この記事中ほどにて
車外側は、ドアに向かって右側の腰の上くらいの位置に、車体に埋め込まれたように白いボタンがある。ボタンが使える時は上部に赤文字で「ドア」と点灯表示される。
車外側
ランプ点灯中に押せば開く旨の説明はあるとはいえ、白くて目立たないボタンだし、表示灯も見にくい。
ボタン自体は、防水のためか、厚いシリコン風のカバーの下に本来のボタンが収まっているような押し心地で比較的力を要する。僕は親指でぐいっと押し込む感じで操作している。
ドアの位置によって、ボタンの地のパネルが横向きのものと縦向きのものがある。
車内側
車内側は、ドアに向かって右の胸より上くらいか。こちらは、「ドア」表示灯、「開」、「閉」ボタンが縦に並び、壁よりも出っ張って角度を付けて設置。
ボタンは直径2.5センチくらいだろうか。銀色の縁に収まった白くて硬いプラスチック製。「開」「閉」の文字がそれぞれ緑と赤で書かれている。
「開」「閉」の文字は、当初は角ゴシック体だった気がするが、今は丸ゴシック体と彫るタイプの名札で使われるような手書きっぽい書体の2種類があるようだ。「ドア」表示灯の文字も、今は細い丸ゴシックだが
丸ゴシック体と手書き風書体
ボタンの押し心地は軽いが、ある程度の深さ押し込む必要がある。感じとしては押しボタン式信号のボタンに近い。
下に手すりがあるためか、ボタンがわりと高い位置にあるのと、開・閉が読めない人にはどちらを押せばいいのか分からないのが、難点ではあった。
登場から20年が経つ701系電車では、ここ数年、さまざまな機器や装備の更新が行われている。
パンタグラフ、インバーター、吊手(つり革)、座席の色、行き先表示、各種ワンマン機器等々であるが、昨年末、2両編成の「N32」編成において、ドアボタンが更新された。また、今週頃から2両編成「N27」編成も更新されて運行しているとのこと。
※その後、6月10日には「N31」編成でも新ドアボタンを確認。
新しいドアボタンは、2002年に改造された仙石線用205系電車、2007年に登場した仙台地区用E721系電車などとほぼ同じ、“最新型”。
N32編成にやっと巡り会えた
「ドア」表示灯とボタンが一体化して、ボタンが使える時はその縁がLED(開くほうが緑、閉まるほうは赤)で光る。ボタンはエレベーターでおなじみの(かえって分かりづらいけど)横向き三角のアイコン。さらにその外周を、巨大な黄色い輪が取り囲む(これはボタンではなく、飾り。踏切の非常ボタンの赤い輪の色違いみたいなの)。
※首都圏の列車でも同じものが設置されているが、車内側には黄色い輪がない。使用頻度を考慮して、あえて目立たなくしているのか。
車外側は、従来のボタンと同じ位置で、パネルの縦横が混在するのも同じ。パネル自体がやや大きくなったようで、ネジ止め箇所は4つから6つに増えている。
パネルは「あける Open」が赤い文字で彫られているだけで、「ドア」ランプと「ご注意 ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開きます」の注意書きがなくなったので、スペースが余っている。
国鉄秋田鉄道管理局のマスコットキャラクターだったヒョウの「アッキー」くんが、JR化後に作られたステッカーに残っていたのだが、ドアボタンが更新されてもまだ残っているのがすごい。
キライじゃないけれど、「ボタン」の文字が薄れて読めないよ…
車内側も、取り付け位置は従来と同じ。
デカい!
ボタンが大型化して従来の台座では収まらないため別のものになり、ボタンがある面だけが樹脂から金属に変わった。ボタンの角度はわずかに外向きになったか。
外のボタンと同じ赤で「Open」「Close」が彫られているが、日本語はラベルライターで作った「ひらく(あける じゃなく)」「とじる」が貼ってある。【2015年8月5日追記】この後に更新された編成では、ラベルではなく外側と同様に彫った赤文字。開くほうはやはり「ひらく」。(N17編成で確認)
車内には「ご注意 ランプ点灯中…」の表示があるが、以前はプラスチックの板だったのにシールに替わっていた。
新しいボタン自体は車内外ともおそらく同じもの。黄色い縁取りで巨大に見えるだけで、ボタン自体のサイズは従来よりわずかに大きい程度のようだ。
指先でも楽に押せ、わずかな手応えがあるだけで押しこむ深さはほぼゼロ。特に車外側では、従来よりずっと扱いやすくなったと思う。大きな改善と言えよう。
乗客たちは見慣れぬボタンに一瞬戸惑っていたが、それは分からなくて戸惑うのでなく、今までと違うことへの戸惑いのようだった。20年間同じボタンだったのが別のものに変わったのだから、無理もない。
欲を言えば、車外側にも「ランプ点灯中ボタンを押せば…」シールはあったほうがいいと思うし、車内のボタンの位置を少し下げたほうがいいと思う(手すり移設や配線も必要で難しいけど)。あと、点字もしくは見なくても開閉の区別がつく突起(電話やリモコンの「5」みたいな)はないようだけど、なくていいんだろうか。
なお、開閉予告チャイムなどは従来のままで、今回更新されたのはボタンだけのようだ。
考えてみれば、秋田総合車両センター(旧・土崎工場)では、仙石線用205系など他地域向け車両の改造で、既に多くの新しいドアボタンを設置した実績がある。それを地元の701系にも施したに過ぎないのかもしれない。配線はそのままでボタン部分だけを交換したようだから、さほど難しくもないのかもしれない。
現在進んでいる、行き先表示や運賃表示器の更新については、工場に入ったのに更新される場合とされない場合があるようで、ドアボタンももしかしたら同じことになるかもしれないが、新しいドアボタンが増えていくのは間違いないだろう。
半自動ドアについては、続きます。
※2017年の仙台地区のドアボタン事情はこの記事にて。
※最初に新ドアボタンが採用されたであろう、仙石線205系3100番台について。
※秋田地区などでは少し違うボタンも登場。