広く浅く

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新聞に載る倍率

2015-02-05 23:34:52 | その他もろもろ
国公立大学の2次試験の出願受付が締め切られ、5日付の新聞各紙では、見開き2面で全国の国公立大の志願者数や倍率(以下「倍率」と表記)を掲載している。
昔から気になっていたのだが、新聞によっては学部ごとの倍率を掲載しているが、これは「意味のない倍率」だと思う。
試験日程ごとに学部別の倍率を掲載している
大昔の入試制度、あるいは今も学部一括で募集・選抜する大学ではこれでいい。しかし、現在、多くの大学では、学部ではなくその下位の学科や課程・専攻などの単位で、出願を受け付けるのが一般的。

例えば、多くの大学で「医学部」の中には、医師を養成する「医学科」のほかに看護師や療法士を養成する「保健学科(さらに専攻で細分化)」があり、試験はそれぞれで行われている。第2志望とか掛け持ち受験はできない。したがって、倍率はそれぞれで異なる。
だから、医学部全体の志願者数や倍率を見せられても、それぞれの受験者には、自分の出願した学科の状況は分からず、何の参考にもならないはずである。
極端な話、学部の倍率が「10倍」であっても、その中には定員割れしている学科や(極めて極端だけど)志願者ゼロの学科がある可能性すらある。

このような掲載方法では、医学部のほか、獣医学科を持つ農学部などにおいて、特定の学科が学部全体の倍率を押し上げてしまう、もしくは高倍率学科が学部全体に埋もれてしまうケースがあり、誤解や混乱を招きかねない。

新聞に掲載される学部ごとの倍率は、少なくとも受験生にとってはまったく無意味な掲載だと思う。(大学や学部の経営状態、あるいはその年の受験動向を判断する資料としては、意味があるかもしれないけれど)

いずれにしても、受かる人は受かって、受からない人は受からないのだから、倍率など気にしない。というわけにもいかないのでしょうけれど…
そういえば、20年前に僕が受けた時は、倍率って気にしていたっけ? 気にするにしても、当時はネットもないから、大学に問い合わせる以外に知る術があったのだろうか?



今年の(昨年以前はどうだった?)秋田魁新報では、東北6県の東北大学を除く(※)6国立大学と秋田県立大学については学科ごとの倍率を掲載してくれて、親切。(それ以外の大学は学部ごと)
※東北大学は学科別の志願者を公表していない(医学部以外)そうなので、学部ごと。
これならば、掲載する意味はある

気がつけば、大学の改革も進んでいた。
秋田大学は、今年度から(=今回の入試で2年目)工学資源学部が解体されて国際資源学部と理工学部ができて4学部体制になっている。
あとは、教育文化学部の募集単位が昔より大きくなっているようだ。
20年前は、小学校課程国語専攻(副専攻?)、社会専攻、…と、たしか数名ずつ少人数で区切られていたものだが、今は大雑把な分野ごとに、前期は最低でも7人は募集している。

一方、20年前の弘前大学は、小学校課程は専攻(弘大では「選修」と呼ぶらしい)に関わらず数十人を一括募集していて、秋大と対照的だった。そんな事情から、秋田県からあえて弘大の小学校課程を受験したという人もいたようだ。
現在の弘大(2011年から)は、小学校・中学校の区別がなくなり、選修ごとに募集している。音楽や美術は前期試験でも2名ずつと狭き門(志願者は多くはないけれど)。
いつの間にか、秋大と弘大が逆転したような状況になっていたけれど、2016年に弘大で学部再編が予定されているので、また変わることでしょう。
コメント
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