2月11日に河北新報のサイトに、秋田のニュースとして「宮城県警制作「交通安全の音」/秋田でも定着」が掲載された。
宮城県警が作ったパトロールカーのスピーカーから流すメロディが秋田県警でも使われ、秋田県民に定着している。という内容。
個人的には、違和感を覚える報道だ。
宮城県警からもらった音だったとは知らなくてためになったが、「昨年から耳にする機会が増え、定着した」という部分。
広い秋田県内にはたくさんの警察署があり、それぞれの地域性に応じて方針や対応が異なるだろうから、どこかではその通りなのかもしれない。
しかし、少なくとも僕の周囲(秋田中央警察署管内)では、「以前よりも耳にする機会が減っている」し、したがってメロディを聞いても何の音かピンと来ない住民も多いはずである。
この音は、「ちゃららん ちゃららん らん。(音階が上がって)ちゃららん ちゃららん らん(元の音階に戻る)」というもので、2009年かどうかは忘れたけれど、何年か前は、秋田市内でも多くのパトカーがこの音を流しながら走行していた。
【2017年10月27日追記】同じメロディーで高低を繰り返すという点では、フジテレビ「ドリフ大爆笑」の「もしものコーナー」のテーマ? BGM?(たかしまあきひこ作曲)みたいなもの。
しかし、ここ最近はとんと耳にする機会がなくなり、メロディは廃止されたのかと思っていた。
僕は、1日に1回は秋田県警のパトカーが走行(クラウンやスカイラインからコンパクトカーまで車種=配置箇所はいろいろ。いずれも緊急走行ではない)するのを目にする環境だが、おそらく2014年は1度も聞いていなかった。
ところが、2014年の年末か2015年の年始か、1度だけメロディを流して走るパトカー(場所や車種からして、中央署管内の交番の車か)を久々に見かけ、「まだ使っていたのか!」と驚いた。
その後は、再び耳にしていない。
市街地では積極的に流さないとか、住宅地など特定の場所に限って流しているとか規定があるのかもしれない。
中央署では、流すにしても音量が低すぎて、知らない人は音の発生源が分からないはず。ナレーションも、何を言っているのか聞き取りづらい。
なお、以前、秋田臨港署のパトカーは大音量で流していたので、音量も署によって違うのかもしれない。
とにかく、秋田市中心部では、なかなか耳にする機会がない音である。
秋田中央警察署からほど近い、河北新報秋田総局の前(ビルの下)でも同じはずであるが、記事を書いた河北新報の記者は、自分で聞いた経験はあるのだろうか。
あるいは秋田県警が「「定着した」と手応えを感じた」というのは、ほんとうだろうか。
新聞記事や秋田県警のコメントが事実かどうかを追求するつもりもないけれど、聞く機会がなく、定着しているとは感じていない秋田県民がいるのもまた、事実である。
【2018年10月4日】この後、秋田中央警察署を中心とする秋田市内では、この音をまったく聞かなかった。しかし、2018年10月4日の朝、中央署管内の通学路でもある住宅地付近において、比較的大きい音量で聞こえてきた(発生源は未確認)。
ついでに報道に関してもう1つ。
ローカルニュースでは、毎年同じ時期に同じ話題が“使い回し”かのように報道されるものがある。
秋田では、総社神社の絵馬作成・奉納、大館市田代の彼岸花(造花)作り、豆まきやハロウィンでは毎年同じ幼稚園が取材されることが多い。
おそらく、取材を受ける側が「取材に来てください」とマスコミにリリースするのだろう。いい宣伝になるし、取材する側はラクだし。馴れ合いでもあるけれど。
今の時期、恒例なのは、秋田公立美術大学附属高等学院(以下、附属高等学院)の卒業制作展。
少なくとも、美短附属時代から毎年、NHKや秋田魁新報は報道していたはずであり、短大→大学本体の卒業制作展よりも積極的に報道されている気さえする。
附属高等学院の卒業制作展は、毎年、赤れんが郷土館が会場だったが、今年から、別に開催されていた1・2年生の作品展と合同で、エリアなかいちのにぎわい交流館に変えたそうだ。
その報道において、NHK秋田放送局が気になる言い回しをすることがあった。
「美術を学ぶ高校生の卒業制作展が開かれています」という、原稿や字幕が出ることが少なくなかったのだ。
何が気になるのかと言えば、「高校」の部分。
附属高等学院は「高校」ではないので、間違い。
5年くらい前かと思うが、学校名を「秋田公立美術工芸短大附属高校」と誤った年もあったはず。訂正を聞いた覚えはない。
以前もどこかで書いたけれど、附属高等学院は「専修学校高等課程」である。
中卒で入学できる3年課程で、卒業時に大学受験資格は与えられるが、高等学校ではない。
秋田市立の中高一貫校で「御所野学院」がある(こちらは高等学校)から、紛らわしいことはあるかもしれない。
しかし、附属高等学院の校舎や展示会場の表示やホームページなどの公式な表記では、「高校」とはひとことも書いてないはずである(書いていたら大問題だ)。
当時のNHK秋田放送局の記者の思い込みで高校にしてしまったのだと思われるが、事実を伝えるべき報道のプロとしてはお粗末だと思っていた。
秋田市民でも、附属高等学院は高校だと誤解している人は多いだろうし、(受験者・在校生・卒業生とその保護者などは別として一般市民ならば)誤解していても大した問題ではないだろう。
ただ、マスコミがそれをやっては、誤解を助長させかねない。
ところが今年は、
「専修学校の秋田公立美術大学附属高等学院では…」
「専修学校の」というフレーズが学校名の頭に付いた。近年でもっとも正確な表現だ!
多くの視聴者に取ってはどうでもよくて、かつピンと来ないフレーズではあるが、これなら文句の付けよう(付けられよう)がない。
一部放送局の初詣のニュースのように、毎年同じ文面の使い回しではないようだが、こうした正確な表現は継続してほしい。
※翌2016年も、NHKは「専修学校の」を付けた同様の言い回し。ところが2018年は再び…
なお、秋田魁新報では、単に「秋田公立美術大学付属高等学院」だけの表記。「附」が「付」なのは、魁の使用できる文字の制約だろう。
内容としては間違ってはいないから、誤解するかどうかは読者次第ということになる
宮城県警が作ったパトロールカーのスピーカーから流すメロディが秋田県警でも使われ、秋田県民に定着している。という内容。
「宮城県警が01年、全国で初めて導入」「一般公募で制作した。」
「09年ごろ、会議に同席した秋田、宮城両県警の交通部幹部の間で」話がまとまって、秋田県警に提供されて2009年から使われている。
秋田では「昨年の振り込め詐欺急増を受け、パトカーからの広報を強化し、住民が耳にする機会が増えた。」
「秋田県警は「導入当時は『なんだろう』と不思議に思う県民が多かったが、今では、県民の安全、安心を呼び掛ける音として定着した」と手応えを感じている。」
「宮城県警は「宮城県警発の広報媒体が役に立っているのであれば、喜ばしい限り。どんどん活用してほしい」と話す。」
といった内容。「09年ごろ、会議に同席した秋田、宮城両県警の交通部幹部の間で」話がまとまって、秋田県警に提供されて2009年から使われている。
秋田では「昨年の振り込め詐欺急増を受け、パトカーからの広報を強化し、住民が耳にする機会が増えた。」
「秋田県警は「導入当時は『なんだろう』と不思議に思う県民が多かったが、今では、県民の安全、安心を呼び掛ける音として定着した」と手応えを感じている。」
「宮城県警は「宮城県警発の広報媒体が役に立っているのであれば、喜ばしい限り。どんどん活用してほしい」と話す。」
個人的には、違和感を覚える報道だ。
宮城県警からもらった音だったとは知らなくてためになったが、「昨年から耳にする機会が増え、定着した」という部分。
広い秋田県内にはたくさんの警察署があり、それぞれの地域性に応じて方針や対応が異なるだろうから、どこかではその通りなのかもしれない。
しかし、少なくとも僕の周囲(秋田中央警察署管内)では、「以前よりも耳にする機会が減っている」し、したがってメロディを聞いても何の音かピンと来ない住民も多いはずである。
この音は、「ちゃららん ちゃららん らん。(音階が上がって)ちゃららん ちゃららん らん(元の音階に戻る)」というもので、2009年かどうかは忘れたけれど、何年か前は、秋田市内でも多くのパトカーがこの音を流しながら走行していた。
【2017年10月27日追記】同じメロディーで高低を繰り返すという点では、フジテレビ「ドリフ大爆笑」の「もしものコーナー」のテーマ? BGM?(たかしまあきひこ作曲)みたいなもの。
しかし、ここ最近はとんと耳にする機会がなくなり、メロディは廃止されたのかと思っていた。
僕は、1日に1回は秋田県警のパトカーが走行(クラウンやスカイラインからコンパクトカーまで車種=配置箇所はいろいろ。いずれも緊急走行ではない)するのを目にする環境だが、おそらく2014年は1度も聞いていなかった。
ところが、2014年の年末か2015年の年始か、1度だけメロディを流して走るパトカー(場所や車種からして、中央署管内の交番の車か)を久々に見かけ、「まだ使っていたのか!」と驚いた。
その後は、再び耳にしていない。
市街地では積極的に流さないとか、住宅地など特定の場所に限って流しているとか規定があるのかもしれない。
中央署では、流すにしても音量が低すぎて、知らない人は音の発生源が分からないはず。ナレーションも、何を言っているのか聞き取りづらい。
なお、以前、秋田臨港署のパトカーは大音量で流していたので、音量も署によって違うのかもしれない。
とにかく、秋田市中心部では、なかなか耳にする機会がない音である。
秋田中央警察署からほど近い、河北新報秋田総局の前(ビルの下)でも同じはずであるが、記事を書いた河北新報の記者は、自分で聞いた経験はあるのだろうか。
あるいは秋田県警が「「定着した」と手応えを感じた」というのは、ほんとうだろうか。
新聞記事や秋田県警のコメントが事実かどうかを追求するつもりもないけれど、聞く機会がなく、定着しているとは感じていない秋田県民がいるのもまた、事実である。
【2018年10月4日】この後、秋田中央警察署を中心とする秋田市内では、この音をまったく聞かなかった。しかし、2018年10月4日の朝、中央署管内の通学路でもある住宅地付近において、比較的大きい音量で聞こえてきた(発生源は未確認)。
ついでに報道に関してもう1つ。
ローカルニュースでは、毎年同じ時期に同じ話題が“使い回し”かのように報道されるものがある。
秋田では、総社神社の絵馬作成・奉納、大館市田代の彼岸花(造花)作り、豆まきやハロウィンでは毎年同じ幼稚園が取材されることが多い。
おそらく、取材を受ける側が「取材に来てください」とマスコミにリリースするのだろう。いい宣伝になるし、取材する側はラクだし。馴れ合いでもあるけれど。
今の時期、恒例なのは、秋田公立美術大学附属高等学院(以下、附属高等学院)の卒業制作展。
少なくとも、美短附属時代から毎年、NHKや秋田魁新報は報道していたはずであり、短大→大学本体の卒業制作展よりも積極的に報道されている気さえする。
附属高等学院の卒業制作展は、毎年、赤れんが郷土館が会場だったが、今年から、別に開催されていた1・2年生の作品展と合同で、エリアなかいちのにぎわい交流館に変えたそうだ。
その報道において、NHK秋田放送局が気になる言い回しをすることがあった。
「美術を学ぶ高校生の卒業制作展が開かれています」という、原稿や字幕が出ることが少なくなかったのだ。
何が気になるのかと言えば、「高校」の部分。
附属高等学院は「高校」ではないので、間違い。
5年くらい前かと思うが、学校名を「秋田公立美術工芸短大附属高校」と誤った年もあったはず。訂正を聞いた覚えはない。
以前もどこかで書いたけれど、附属高等学院は「専修学校高等課程」である。
中卒で入学できる3年課程で、卒業時に大学受験資格は与えられるが、高等学校ではない。
秋田市立の中高一貫校で「御所野学院」がある(こちらは高等学校)から、紛らわしいことはあるかもしれない。
しかし、附属高等学院の校舎や展示会場の表示やホームページなどの公式な表記では、「高校」とはひとことも書いてないはずである(書いていたら大問題だ)。
当時のNHK秋田放送局の記者の思い込みで高校にしてしまったのだと思われるが、事実を伝えるべき報道のプロとしてはお粗末だと思っていた。
秋田市民でも、附属高等学院は高校だと誤解している人は多いだろうし、(受験者・在校生・卒業生とその保護者などは別として一般市民ならば)誤解していても大した問題ではないだろう。
ただ、マスコミがそれをやっては、誤解を助長させかねない。
ところが今年は、
「専修学校の秋田公立美術大学附属高等学院では…」
「専修学校の」というフレーズが学校名の頭に付いた。近年でもっとも正確な表現だ!
多くの視聴者に取ってはどうでもよくて、かつピンと来ないフレーズではあるが、これなら文句の付けよう(付けられよう)がない。
一部放送局の初詣のニュースのように、毎年同じ文面の使い回しではないようだが、こうした正確な表現は継続してほしい。
※翌2016年も、NHKは「専修学校の」を付けた同様の言い回し。ところが2018年は再び…
なお、秋田魁新報では、単に「秋田公立美術大学付属高等学院」だけの表記。「附」が「付」なのは、魁の使用できる文字の制約だろう。
内容としては間違ってはいないから、誤解するかどうかは読者次第ということになる