4月末に583系で弘前さくらまつりへ行った続き。
ソメイヨシノの見頃を過ぎていたのは承知の上。主目的は今年だけ&この時期だけの「内濠ウォーク」。
とはいえ、定番の風景とその周辺もいろいろ見たので、今回はそれらを紹介します。
弘前市役所向かい・追手門は花筏
外濠一面が花筏かと思ったら、隅の一角だけだった。
多少は木に残っている花があることや、風や水の流れの関係だろう。(花筏の時期は、あえて水流を止めることがあるらしい)
●市役所屋上
その追手門の向かいの弘前市役所では、2012年からさくらまつり期間中だけ庁舎屋上を開放し、弘前公園を上から見てもらうようにしている。
周囲には高い建物はあまりなく、どんな眺めか興味があったものの、今までタイミングが合わず、やっと初めて行ってみた。
今年は4月18日から5月6日まで、土日祝日を含む9時から17時まで(最終入場16時30分)。※来年以降については、各自公式な情報で確認願います。
弘前市役所の本庁舎は、外濠に面した4階建ての「本館」と南東角の6階建ての「新館」からなり、本館は1958年築で前川國男設計。
前川國男は、母が弘前出身だったこともあり、弘前市内で複数の建物の設計を手がけ、現存するものが多い。
開放された屋上は、本館。
正面から入ると案内表示があり、右手すぐの階段か奥のエレベーターへ誘導される。
昭和中頃の雰囲気漂う、少し薄暗くて少しモダンな階段で、各階の各課窓口を横目に上る。
4階は雰囲気が違い、議場など市議会関係のフロア。階段はそこで終わりで警備員がいて、別の狭い階段へ案内してくれた。
そして、屋上へ。
入場制限する場合があるとのことだが、予想通り5組10人くらいしかおらず、ガラガラ。
柵が仮設されている。奥の茶色い建物が新館
昨年までは、この場所(地上からの高さ約14メートル)だけの開放だったが、今年からは屋上の上にあるペントハウス(塔屋・同約18メートル)の屋上も開放。上の写真中央の台みたいな場所。
屋上にも警備員がいて、ペントハウスの上へぜひと勧められる。階段は狭いが、特段危なくはない。
ペントハウス屋上。木製お立ち台も設置
北・追手門方向。見頃だったら美しい眺めのはず
最初に下から見た花筏。最初の写真よりも隅に偏っている
西・岩木山方向
霞んでいたのと逆光で岩木山はうっすら。塔のようなものがあるビルは東奥日報弘前支社。
せっかくの機会なので、別の方向にも目を向けると。
東・市立観光館と市立図書館(間の奥に旧・市立図書館が少し見えている)
南側。右奥の木立が禅林街か?
新館に遮られて、弘前大学方面(文京町はおろか大学病院も)などは見えない。視界は消防本部(左奥の茶色い建物)まで。
市役所敷地内の道路から見えない所で、大きな建築工事中。5階建ての「増築棟」だそうで、2016年3月完成予定。現在の各庁舎も引き続き使用されるが、耐震改修などが実施される。
見学を終えて4階に下りるのは、上りと別の階段。議員控室や議長室の前の廊下を通って、あとは行きと同じ階段。
あまり宣伝しておらず、知る人ぞ知るイベント。天候にも左右され、絶景というほどではないけれど、話のタネにはなるだろう。時間があればぜひ。(むしろ2階とか3階の窓のほうが、並木と視線が一致していい眺めかも?)
●趣きのあるスタバ
以前紹介した、趣きのある建物のうち、西濠の「旧紺屋町消防屯所」は今年も公開。市役所敷地内の「旧第八師団長官舎」は、
スタバに!
弘前市がテナントを募り、スターバックスコーヒーの出店が決定。「弘前公園前店」として4月22日にオープンしたばかり。
青森県内5店目・弘前市内初のスタバで、初日の開店前は約100人が並んだとのこと。(弘前の人も秋田人並みにけっこう物好きですね。セブン-イレブン開店時もこうなる?)この時も高校生などが少々並んでいた。【10日23時補足・秋田の人は「新しもの好き」だけど、津軽の人はさほどでもないと考えていた。しかし、今回の一件ではそうでもなさそうで、それが意外だったということ。それを踏まえれば、秋田ではセブン-イレブン進出時に行列や渋滞が生じたので、弘前進出時も同じようなことになるのかなと思った次第。】
弘前市中心部には古くからの喫茶店が多く、コーヒー文化がある街。既存店との競合を不安視する声と相乗効果を期待する声が入り交じっている。
建物の外観は、控えめに看板が付いただけで、以前とほぼ同じ。
内部はある程度改装されているはずだが、改装前からオリジナルではない(それらしく復元した)内装だったから、問題はないのかもしれない。従来は限られた期間しか中を見られなかったのが、営業中はいつでも見られるようになったとも言える。
ただ、積極的にコーヒーを飲まない者としては、敷居が高くなってしまった。弘前市民にとってはありがたくても、観光客にしてみれば旅行先でまでスタバに行かなくても…という人もいるだろう。だったら、ヒロロの中とか新築される庁舎内にでも出店したほうが良かったような気もしなくはない。【10日23時補足・基本的にはコーヒーなどを買う客が入るための建物になってしまい、純粋に建物の中を見たいだけの人にとってはそれが難しくなった。その意味では、この建物にスタバが入るべきだったのかと、少々疑問を感じている。】
●乗車証明書
例によって弘南鉄道大鰐線・中央弘前駅下車客を対象に、弘前公園周辺3施設の無料入場措置が実施されたので、ありがたく利用させてもらった。(今年は4月18日から5月10日まで)※以前の記事
昨年秋までと変わった点が1つ。それは駅でもらう乗車証明書。
従来は、カラーレーザープリンタで印刷したものを裁断した証明書が、改札口手前のケースに入っていて、各自取る方式だった。
今回は、電車が到着すると「乗車証明書は画面に触れると出てきます」とか構内放送がかかった。
たしかに改札口に小型液晶画面の付いた装置があり、タッチすると、
レシートのような証明書が出てきた
JRの無人駅にある乗車証明書は、バスなどの整理券を流用したものだが、これはサイズが大きく、通し番号が大きく印字される。こんな「乗車証明書発行機」なんて装置も存在するのかと感心しかけたけど、これって金融機関などの窓口にある順番待ちの番号札発行器そのものじゃないか! 呼び出し装置がないだけで。
考えてみれば、日付と通し番号入りの証明書を毎日分作って、裁断して管理するのは手間。
そして、こういう機械を導入したということは、今後も継続して本事業が実施されると考えていいのだろう。
各施設では従来と同じく、最初に訪れた施設で乗車証明書を渡し、引き換えに日付印を押した手作りの共通入場券をもらう方式。
●公園内の桜など
(再掲)本丸は枝垂れ桜の花盛り
来年は天守の位置が変わっているはず
入場したわりには写真があまりありません。
2011年末の雪で倒れた「二の丸大枝垂れ」。
形はまだまだだけど、ちゃんと咲いた(そして散った)ようだ
天守の近くから、本丸下の蓮池の東端に下りる目立たない坂があって、その下に、
ミズバショウが咲いていた。周りはツクシ&スギナ
弘前公園のソメイヨシノの中では遅咲きである、西濠の桜のトンネルも、
かなり散っていた
定番の光景ももの足りない
それでも、多くの人たちが訪れ、津軽の春を楽しんでいた。
出店も例年同様のにぎわいで、あのスヌーピ耳が毛になっている犬(犬はたいてい耳に毛が生えているけど)の看板も健在。
(再掲)2009年撮影
市役所前の「追手門通り」の信号機が、車両用、歩行者用とも電球式から薄型LED式に交換されていた。
京三製作所製
弘前では、まだ電球式が多い。
内濠ウォークについては別記事にて。
ソメイヨシノの見頃を過ぎていたのは承知の上。主目的は今年だけ&この時期だけの「内濠ウォーク」。
とはいえ、定番の風景とその周辺もいろいろ見たので、今回はそれらを紹介します。
弘前市役所向かい・追手門は花筏
外濠一面が花筏かと思ったら、隅の一角だけだった。
多少は木に残っている花があることや、風や水の流れの関係だろう。(花筏の時期は、あえて水流を止めることがあるらしい)
●市役所屋上
その追手門の向かいの弘前市役所では、2012年からさくらまつり期間中だけ庁舎屋上を開放し、弘前公園を上から見てもらうようにしている。
周囲には高い建物はあまりなく、どんな眺めか興味があったものの、今までタイミングが合わず、やっと初めて行ってみた。
今年は4月18日から5月6日まで、土日祝日を含む9時から17時まで(最終入場16時30分)。※来年以降については、各自公式な情報で確認願います。
弘前市役所の本庁舎は、外濠に面した4階建ての「本館」と南東角の6階建ての「新館」からなり、本館は1958年築で前川國男設計。
前川國男は、母が弘前出身だったこともあり、弘前市内で複数の建物の設計を手がけ、現存するものが多い。
秋田魁新報の1面コラム「北斗星」の筆者は、6日付で「桜ではなく建物を眺めるため弘前公園へ出掛けた。」そうで前川國男建築を紹介している。そして秋田県湯沢市の白井晟一設計の建物について「残すには金も覚悟も必要となるが、ここは弘前に学びながら可能性を探ってほしい。」と結んでいる。
湯沢はともかく、秋田市は古い建物を次々と壊すのが大好きで、それが津軽と秋田の地域性の違いなのかな、などと思っている。
湯沢はともかく、秋田市は古い建物を次々と壊すのが大好きで、それが津軽と秋田の地域性の違いなのかな、などと思っている。
開放された屋上は、本館。
正面から入ると案内表示があり、右手すぐの階段か奥のエレベーターへ誘導される。
昭和中頃の雰囲気漂う、少し薄暗くて少しモダンな階段で、各階の各課窓口を横目に上る。
4階は雰囲気が違い、議場など市議会関係のフロア。階段はそこで終わりで警備員がいて、別の狭い階段へ案内してくれた。
そして、屋上へ。
入場制限する場合があるとのことだが、予想通り5組10人くらいしかおらず、ガラガラ。
柵が仮設されている。奥の茶色い建物が新館
昨年までは、この場所(地上からの高さ約14メートル)だけの開放だったが、今年からは屋上の上にあるペントハウス(塔屋・同約18メートル)の屋上も開放。上の写真中央の台みたいな場所。
屋上にも警備員がいて、ペントハウスの上へぜひと勧められる。階段は狭いが、特段危なくはない。
ペントハウス屋上。木製お立ち台も設置
北・追手門方向。見頃だったら美しい眺めのはず
最初に下から見た花筏。最初の写真よりも隅に偏っている
西・岩木山方向
霞んでいたのと逆光で岩木山はうっすら。塔のようなものがあるビルは東奥日報弘前支社。
せっかくの機会なので、別の方向にも目を向けると。
東・市立観光館と市立図書館(間の奥に旧・市立図書館が少し見えている)
南側。右奥の木立が禅林街か?
新館に遮られて、弘前大学方面(文京町はおろか大学病院も)などは見えない。視界は消防本部(左奥の茶色い建物)まで。
市役所敷地内の道路から見えない所で、大きな建築工事中。5階建ての「増築棟」だそうで、2016年3月完成予定。現在の各庁舎も引き続き使用されるが、耐震改修などが実施される。
見学を終えて4階に下りるのは、上りと別の階段。議員控室や議長室の前の廊下を通って、あとは行きと同じ階段。
あまり宣伝しておらず、知る人ぞ知るイベント。天候にも左右され、絶景というほどではないけれど、話のタネにはなるだろう。時間があればぜひ。(むしろ2階とか3階の窓のほうが、並木と視線が一致していい眺めかも?)
●趣きのあるスタバ
以前紹介した、趣きのある建物のうち、西濠の「旧紺屋町消防屯所」は今年も公開。市役所敷地内の「旧第八師団長官舎」は、
スタバに!
弘前市がテナントを募り、スターバックスコーヒーの出店が決定。「弘前公園前店」として4月22日にオープンしたばかり。
青森県内5店目・弘前市内初のスタバで、初日の開店前は約100人が並んだとのこと。(弘前の人も秋田人並みにけっこう物好きですね。セブン-イレブン開店時もこうなる?)この時も高校生などが少々並んでいた。【10日23時補足・秋田の人は「新しもの好き」だけど、津軽の人はさほどでもないと考えていた。しかし、今回の一件ではそうでもなさそうで、それが意外だったということ。それを踏まえれば、秋田ではセブン-イレブン進出時に行列や渋滞が生じたので、弘前進出時も同じようなことになるのかなと思った次第。】
弘前市中心部には古くからの喫茶店が多く、コーヒー文化がある街。既存店との競合を不安視する声と相乗効果を期待する声が入り交じっている。
建物の外観は、控えめに看板が付いただけで、以前とほぼ同じ。
内部はある程度改装されているはずだが、改装前からオリジナルではない(それらしく復元した)内装だったから、問題はないのかもしれない。従来は限られた期間しか中を見られなかったのが、営業中はいつでも見られるようになったとも言える。
ただ、積極的にコーヒーを飲まない者としては、敷居が高くなってしまった。弘前市民にとってはありがたくても、観光客にしてみれば旅行先でまでスタバに行かなくても…という人もいるだろう。だったら、ヒロロの中とか新築される庁舎内にでも出店したほうが良かったような気もしなくはない。【10日23時補足・基本的にはコーヒーなどを買う客が入るための建物になってしまい、純粋に建物の中を見たいだけの人にとってはそれが難しくなった。その意味では、この建物にスタバが入るべきだったのかと、少々疑問を感じている。】
●乗車証明書
例によって弘南鉄道大鰐線・中央弘前駅下車客を対象に、弘前公園周辺3施設の無料入場措置が実施されたので、ありがたく利用させてもらった。(今年は4月18日から5月10日まで)※以前の記事
昨年秋までと変わった点が1つ。それは駅でもらう乗車証明書。
従来は、カラーレーザープリンタで印刷したものを裁断した証明書が、改札口手前のケースに入っていて、各自取る方式だった。
今回は、電車が到着すると「乗車証明書は画面に触れると出てきます」とか構内放送がかかった。
たしかに改札口に小型液晶画面の付いた装置があり、タッチすると、
レシートのような証明書が出てきた
JRの無人駅にある乗車証明書は、バスなどの整理券を流用したものだが、これはサイズが大きく、通し番号が大きく印字される。こんな「乗車証明書発行機」なんて装置も存在するのかと感心しかけたけど、これって金融機関などの窓口にある順番待ちの番号札発行器そのものじゃないか! 呼び出し装置がないだけで。
考えてみれば、日付と通し番号入りの証明書を毎日分作って、裁断して管理するのは手間。
そして、こういう機械を導入したということは、今後も継続して本事業が実施されると考えていいのだろう。
各施設では従来と同じく、最初に訪れた施設で乗車証明書を渡し、引き換えに日付印を押した手作りの共通入場券をもらう方式。
●公園内の桜など
(再掲)本丸は枝垂れ桜の花盛り
来年は天守の位置が変わっているはず
入場したわりには写真があまりありません。
2011年末の雪で倒れた「二の丸大枝垂れ」。
形はまだまだだけど、ちゃんと咲いた(そして散った)ようだ
天守の近くから、本丸下の蓮池の東端に下りる目立たない坂があって、その下に、
ミズバショウが咲いていた。周りはツクシ&スギナ
弘前公園のソメイヨシノの中では遅咲きである、西濠の桜のトンネルも、
かなり散っていた
定番の光景ももの足りない
それでも、多くの人たちが訪れ、津軽の春を楽しんでいた。
出店も例年同様のにぎわいで、あの
(再掲)2009年撮影
市役所前の「追手門通り」の信号機が、車両用、歩行者用とも電球式から薄型LED式に交換されていた。
京三製作所製
弘前では、まだ電球式が多い。
内濠ウォークについては別記事にて。