麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

文学座vs青年座…おもに『焼けた花園』

2005年09月23日 | 鑑賞
文学座アトリエの会『焼けた花園』
(作/ウーゴ・ベッティ、訳/溝口廸夫、演出/上村聡史
 文学座アトリエ 9/7~9/21)は、
とある時代の国境沿いの一軒家を舞台に、

青年座『夢・桃中軒牛右衛門の』
(作/宮本研、演出/鈴木完一郎 本多劇場 9/17~9/25)は
明治から大正にかけての日本と中国を舞台に、

設定こそ異なるけれど、どちらも「国家建設」に
まつわる人間模様で、なるほど戦後60年目の節目の年に
こういうアプローチはかっこいいなあ…と思った。

特に前者は、とても1952年の作品とは思えない
完全に「今」の作品
目茶苦茶シャープでかっこいい。
文学座じゃなきゃできないっす。
   ってな舞台だった。

国境沿いの一軒家の窓から臨める丘を、
「一軒家」の壁の上に象徴的にみせる舞台美術が、
これまたクール!!!
弊団の『八月の鯨』でも美術を担当してくれた
乘峯雅寛さんのセンスが光る

光ると云えば、全編に宝石のように散りばめられた
「台詞」が、とにかく美しい…本当は「美しい」なんて
言葉では足りないのだが、残念ながら僕には表現がない…。

骨太の作品を息づかせているのは、その「美しい台詞」
であることが、この芝居の最大の武器だ。
俳優も素晴らしかったけれど、あの台詞を口にするのは
同時に役者にとって幸福でもあるだろうなあ…とも思った。

いやあ、演出も美術も照明も…あらゆるスタッフワークから
キャストまで、本当に楽しませていただきました。

ひとつだけ欲をいえば、ベニサンとか吉祥寺シアターとか
舞台奥が開く劇場だったら、ラストシーンがより美しく、
感極まっちゃっただろうなあ・・・。



おっと、長くなってしまった。
青年座の感想は、明日に続くのだ
コメント
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