麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

じてキンとか絢爛とか

2005年09月18日 | 鑑賞
タイトルは自転車キンクリートストアの代表作
(観てないけど…)『絢爛とか爛漫とか』を意識しました。

自転車キンクリートSTORE
『ウィンズロウ・ボーイ』
(作/テレンス・ラティガン 演出/坂手洋二)
俳優座劇場にて。今日千秋楽。

観劇は9/16(金)ソワレ。
昨日のNLTとテレコになっちゃいました。
そのNLTが創立37年、一昨日掲載したジャブジャブが
20年、じてキンは1982年創立だから23年だ・・・
            
「躍進するお嬢さん芸」と呼ばれた、ポンジョ出身の女の子たちも
いまや40代も半ばという計算だ・・・。
なので1940~50年代のイギリス演劇の第一人者の
作品を取り上げるのも、当然といえば当然・・・
なのだろうが、僕的には…ちと意外。

さて「じてキン」「じてキン」とは言うものの、
92年からスタートのプロデュース公演
=「ストアレーベル」なので、
 例えば今回、舞台上には中田喜子、馬渕英里何、西川忠志ら
マスコミでも活躍する面々がいて、
 と同時に小劇場から…大鷹明良、
 はたまたグリングの萩原利映がチョイ役で登場し、
 さらに新劇からは円の佐藤銀平、元NLT中嶋しゅうと幅広く、
 演出には坂手洋二・・・おお、まさに絢爛

絢爛と云えば、衣裳がまたスゴ~く贅沢なのダ
でまたホンがよく書けている。さすが世界的名作
名作だけれど、やはり一幕がやや退屈。
というのも、人物紹介やら話の導入に加え、
どーしたって「イギリスの」、ある時代の空気が
なければ成立しないから……。
(これってどーしよーもないことではあるのだが…)

さて、この舞台において、
多くの人が、あの「坂手」がテレンス・ラティガンと
どう闘うのかに大きな注目を持ったと思う。
自らも「定評あるストレートプレイはやたことがない」
と云うように、明らかにアウェイでのゲームと言えるから…。
で、後半はよく闘ったが、やはり前半が・・・である。
アウェイだから、引いて守れ、とは云わないけど
「適地」を意識して、我慢するのは必要だった。
やはり「攻撃的坂手サッカー」では痛い目に遭います

一緒に観た人が「馬淵さんに、実は期待してなかった分良かった」
と云っていたが(しかも呑み場で演出家本人に向かって)
確かに彼女は頑張った!
楽譜に書かれた音符を間違えることなく、
また、その小節に込められるべき感情も的確に表現した。
が。肝腎のチューニングが狂っていて
つまり基本的な発声として、客席に届ける「音」になっていない…
これは、本当にキツイのだ。観客として。
だけれど2幕はとっても面白い。
ウィンズロウ少年の5シリングの窃盗の
無実を信じて闘う家族と著名な弁護士の話の中に、
女性の立場だとか、正義とは何かとか
国と人の関係性とか、普遍的な物語性を持っているから、
ズンズン心に響きまくって。

【文中敬称略】

蛇足ながら、今更「商業とか新劇とか小劇場とか」
    ただでさえ狭い演劇の世界で衝立を立てる気は
    僕自身まるでなく、ただ説明として上記では俳優さんを
    カテゴライズさせていただきました。
    昨日絶賛したように「小劇場チック」なNLTもいいし、
    じてキンがイギリス翻訳モノありだと思うし・・・。

公演の谷間な上に、注目の舞台が目白押しなので
しばらく、このブログは劇評が続く・・・予定です。
コメント
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