麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ガンバレ!みなみちゃん

2007年10月14日 | 東演
 朝の電車で、彼女は睡魔と戦っていた。
 電車のドア脇のスペースに立って(立つというか、その三角コーナーに体を預け)国語の教科書を広げてはいたが、瞳は閉じられ、耳のイヤフォンの先は携帯へ。おそらくそこから流れているだろうお気に入りの音楽に合わせるように、村上春樹『青が消える』のページは小船のように揺れて、揺れて…。

 誰もが経験しているだろう。
 徹夜で試験勉強をして、さらに通学電車でも…と考える脳とは別の脳が眠りをいざなう…。
 けれども指先には、小さなちいさなガンバリ屋さんがいて、落ちそうになる教科書をすんでのところで捕らまえる。
 その一瞬、彼女は覚醒し、テスト範囲の付箋のついたページを開くのだけれど、国民目線と言ってるそばからボロが出る政治家みたいに、すぐに試験勉強は放棄される。

 『青が~』は再びゆらりゆら~り。

 まるで落ちそうで落ちないピエロの綱渡りみたいに……それは繰り返される。
縦揺れ、横揺れ……
 そのうち教科書は扇を閉じるように、ちらりと裏表紙に書かれた彼女の名を披露する。
「危ない」と声にならない僕の叫びに応えるように、指先ガンバリ屋さんは最大のピンチも乗り越えた。

 ガンバレ! みなみちゃん!
 もう一駅で終点だ。

 みなみの心配もさることながら、東に演じると書いて「東演since1959」にも、大きな大きな“定期試験”=訪中公演が目前だ!

 今日はパラータで、『臨時病室』のGP。
 我等が拠点の客席部分を埋めて、演技エリアを大きく取って、この作品に興味を抱いていただいている演劇関係者も少しお招きして・・・

 頑張るぞ! 東演は!!
コメント
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