稽古場自身の白が
『三人姉妹』のエッセンスと
うまく干渉している、
そう前編で書いたが。
浦和という歴史ある街の空気も
この作品にフェットしている。
ご存知の方も多いと思うが。
『三人姉妹』は、幼少時代を過ごした
モスクワに想いを馳せる姉妹の話、
でもあるわけで。
決して東京が都会で埼玉が田舎
ということではなく。
例えば、稽古を終えた22時の、
繁華街は程近いけれども
ちゃんと夜の静かさを湛えている
そういう点が、登場人物の
心のうちに合致すると感じた。
さて。あくまでテキストに則して、
創り手がロシアをイメージする作業はする。
ただこれは過程だ。
グルッポ・テアトロ版は
中板橋の劇場にての上演となる・・・。
かのチェーホフ先生の世界観とは
一線を画した下町情緒溢れる場所だ。
そこを十二分に計算した演出も
ふんだんに凝らされているのだが、
それは見てのお楽しみ。