1944年2月に創立した劇団俳優座。
青山杉作、千田是也、東野英治郎、小沢栄太郎、
東山千栄子、岸輝子ら10名の同人にて出発し、
49年、俳優座演劇研究所付属俳優養成所を開設。
のちの日本の俳優養成の礎となった。
桐朋学園大学短期大学部芸術科の演劇専攻にその任を移し、
千田のほか田中千禾夫、安部公房が教員となったのが66年。
大学における専門俳優を養成する最初の学科となる。
現在も同校卒業生は俳優座の門を叩くが、
親和性は当時より現在低く、俳優座演劇研究所を再興した。
と、突然に硬い文章が続いたが、いまある研究所が
時勢をとらえた中で、夜間部を作ったのである。
その一期生の修了公演がCOVID-19禍に既に延期を重ね、
このゴールデンウィークにまでずれ込んだ。
そこに、緊急事態宣言の発出である。
苦渋の選択となったが、無観客公演とした。
歴史ある研究所の、新たな試みと言える夜間部の、
一等最初の修了公演に、電話問い合わせも多く頂いたが。
一番辛いのは言うまでもなく一期生だ。
講師、研究所職員など少数関係者のみ見守る中、
5月1日、2日に幕は上がります。
添付のチラシも研究生の手作り。
また『雪の中の三人』で使用した美術を、
デザイナーの乗峯氏の許諾を頂いて使用するので、
まさしく「先輩」と同じ板に立つ。
……演目の中に「雪の中の」が奇しくもある奇跡。
つつがなく終わることを願います。
無観客とはいえ、万全の対策で臨みます。