ネットサーフィンと同様に、というより
寧ろその「先輩」に当たるのだろうが、
紙媒体でも「繋がっていく」ことは当然ある。
芥川賞受賞の井戸川射子(いどがわいこ)。
現役高校教師という背景もあいまって、
露出が強い。
いわずと知れた講談社の、月刊文芸雑誌で
純文学を担う「群像」(1946年創刊)の3月号にも
受賞第一作として、詩と短篇が掲載され、
一応、手に取ったりするわけである。
で。せっかくだから、644頁のうちの
連載は中途から読んでもあれだから飛ばして、
読切だけ拾っていく、わけだけれど。
悲しいかな・・・「加速主義」に関する論文も
〈日本に紹介されてから五年を経て〉
と書かれているが、恥ずかしながら初耳で、
加えて文中の「アシッド共産主義」だの
「減速のオアシス」「ギグ・エコノミー」等々
ちんぷんかんぷんで挫折しちゃったりする。
そんな私にも興味深かったのは『サーカスの子』
(稲泉連/ノンフィクション)。
タイトルからも明瞭、サーカスの話。
しかもキグレサーカスを綴ったものであった。
ある年代にはピンとくるだろう。
キグレサーカスといえば『翔べ、イカロスの翼』。
1978年、草鹿宏の著作で出版され、
翌年、西城秀樹主演でテレビドラマになり、
80年には森川時久のメガホンで映画化された。
こちらは、さだまさしがピエロのクリちゃんを演じ、
主題歌『道化師のソネット』もヒットした。
同年、西友ファミリー劇場でミュージカル化
(主演:子門真人)。
さらに86年からは劇団東演が舞台化。
と、Wikipediaにまとめられており、
【2009年5月には新しい演出・脚本で上演】
と締められているのだが、その企画制作を
わたしが担わせていただいた。
・・・昔話はさておき。
第168回芥川賞『この世の喜びよ』を、購入せず
図書館の「文藝春秋」で読み、その斜め下の書架の
「群像」に井戸川射子の四字を認めて、
ひょいと開いたら、その中にキグレサーカスという
縁のある読み物に連なりがあった件。
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