古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

さすらいの女   シドニー・ガブリエル・コレット  片山正樹訳

2015-12-15 10:16:36 | 小説の紹介
この作品はコレットの自伝的要素の強い作品らしい。



元作家の33歳の舞台パントマイマーが、仕事もして



いないような資産家の同じ年の男と恋に落ちて、彼




を捨てる、という話だ。女は哀しみによって死ぬこ



とはないそうだ。より強くなってゆく。そうなんだ



ろうなあ、と僕も思う。恋をしないと決めた女が、



恋に溺れていくんだが挿絵のその主人公の女性は



美しいとは思えない。それに恋の相手の男も気持



ちの悪い男だ。だから多分、このカップルはイタ



イカップルじゃないかな、と言う風に思うのだけ



れど。



当のコレットも写真で見ると、厚化粧で、年を取って




からの写真でさえ、かなりスレた、厚顔な感じのする




女性である。あまりお近づきになりたくはない感じで




ある。小説自体はうまいとは思うが、女性としての姿が





そのまま語られる。孤独でありながら、自活していくことに




喜びを求めるような女性が描かれている。
コメント
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