同性愛者と政治犯が同じ監房に入れられ、映画を通して、愛を
深めてゆく。僕は六つある映画の中でヒョウ女の話が一番好き
だった。常に抑圧に晒されている現代の中で、監房の中という
のは常に抑圧の対象となり得る。その中で、発芽としての同性
愛は必然なのだろうか。映画(シネ)マニアというモリーナ
の姿は映画好きとしては讃辞に余りある。というか、この人、
映画が好きなんだろうなあ、と思わざるを得ない。そして、映
画という一方的なコミュニケーション同様、二人のコミュニケー
ションも、時折、一方的になる。しかし、その結果として結ばれ
るのだ。バレンティンの指示通り働き、最後は射殺されてしまう。
いったいこれは何をさすのか?性的開放は政治的な攻撃により、萎
えてしまうということか。政治の力で解放も途絶えてしまうという
ことだろうか。
会話だけで成り立っている小説だが、その会話だけでイキイキとモ
リーナもバレンティンも想起されるというのはこの小説が成功して
いる証であろう。
深めてゆく。僕は六つある映画の中でヒョウ女の話が一番好き
だった。常に抑圧に晒されている現代の中で、監房の中という
のは常に抑圧の対象となり得る。その中で、発芽としての同性
愛は必然なのだろうか。映画(シネ)マニアというモリーナ
の姿は映画好きとしては讃辞に余りある。というか、この人、
映画が好きなんだろうなあ、と思わざるを得ない。そして、映
画という一方的なコミュニケーション同様、二人のコミュニケー
ションも、時折、一方的になる。しかし、その結果として結ばれ
るのだ。バレンティンの指示通り働き、最後は射殺されてしまう。
いったいこれは何をさすのか?性的開放は政治的な攻撃により、萎
えてしまうということか。政治の力で解放も途絶えてしまうという
ことだろうか。
会話だけで成り立っている小説だが、その会話だけでイキイキとモ
リーナもバレンティンも想起されるというのはこの小説が成功して
いる証であろう。